最終章 

第27話「それぞれの決着」

直樹、大東、赤木、三浦による最後の作戦が始まろうとしていた。

警察も黒沢のビルへ、ヴィラン壊滅の為の突入作戦を決行しようとしている中、極秘に行われる作戦だ。


この身勝手な作戦は警察の上層部が許すはずがなく、バレれば三浦と赤木は警察をクビになるかも知れないと言うギリギリの作戦だった。


作戦決行当日、警察による突入作戦が開始される予定時刻の2時間前に彼らは集結した。


三浦と赤木は黒沢のビル前で待機。

そこに直樹と大東、そして玲奈がやって来た。

「三浦さん、赤木、警察クビになるかも知れないのに本当に良いのか?」

直樹は三浦達を心配して尋ねた。

「大丈夫だ。確かに組織に歯向かう行為だが、正義の為だと思ってるよ……まっ、クビになった時は直樹君の事務所で雇ってくれ」

「三浦さん……」

「俺も、黒沢さえ潰せれば警察に未練はない……」

「赤木……」

「話は済んだかい?」

大東が声を掛けてきた。

「君は?」

三浦が尋ねる。

「大東勝也……コイツがエクスライザーの正体です…」

と赤木が答えた。

「おや、もうそこまで知られていたとは」

「今回は一応味方の様だから逮捕はしないが……少しでも妙な真似をしたらその時は容赦しないからな」

「ほぉ、君に僕が捕まえられるのかな?」

いきなりお互いがお互いを挑発しだす赤木と大東……大丈夫か? 

「二人共辞めろ……今は仲間だ」

直樹が仲裁する。


「そうだな……よし、警察隊が突入するまで2時間しかない。さっさと行くぞ」


「三浦さんはここで連絡係をお願いします」

「分かった……」

三浦は残り警察隊の動きを知らせる係をやる。

3人は黒沢のビルに向かって歩いて行く。


(美紀……待ってろよ……必ず助ける……)

(黒沢……貴様を必ず捕まえてやる……)

(黒沢……お前を許しはしない……)

3人はそれぞれの思いを胸に戦いへ向かう。


「さて、君もここから先は我々に任せて……」

三浦は玲奈に声を掛けるがそこに玲奈の姿は無かった。

「あれ?あの娘は?何処に行った?」

三浦が周りを見回しても玲奈は居なかった。


「とうとう3人揃って来たね……」

「だったら纏めて叩き潰してやりましょう!」

「そうだね……君達に任せるよ」

六ツ木、三条、土門の3人は直樹達を迎え撃つ為に出陣。


「黒沢は何処に居るんだろう?」

「いつも通りなら会長室だな……とにかく行ってみよう」

大東が案内をする。


「それにしても変だな……昨日来た時は洗脳された人々が数多く待ち構えて居たんだが……」


その時!

突然何かが3人を攻撃。

「うわっ!?」

「くっ……」

「これは……」

「よう!……待ってたぜ……」

現れたのはウィンドヴィランだった。

そして多くの洗脳された人々……。

「しまった……罠か!」

「あたりめーだ……簡単に通す訳ねぇだろバーカ!!」

ウィンドヴィランは3人を挑発してくる。

洗脳された人々の中には山本も居た。

「!山本さん!」

赤木がそれに気付いたの

「え?山本だと!?クソッ、あのバカ……」

「さぁ、纏めてぶっ殺してやるぜ!!」

「そうは行かないな……」

大東が前に出る。

「大東……」

「探偵、刑事、これはこのビルの地図だ……持っていけ」

そう言って大東は用意していた地図を直樹に渡した。

「地図……え?お前……まさか……」

直樹は何かに気付いた様だ。


「探偵ならこの意味分かるよな?」

そう言って大東は『変身』

エクスライザー登場。

「先に行けって事か……」

「フッ……正解」

「分かった……ここを頼むぜ!行くぜ赤木!」

「ああ!」

直樹は赤木は一気に走り抜ける。

「へっ、逃がすかよ!行け!」

洗脳された人々は『トルーパーキー』を構える。

「おっと!それはさせないよ!」

エクスライザーは『スリープキー』を使って人々を眠らせた。


「クソッ……だったら直接ぶっ殺してやる!!」

ウィンドヴィランがエクスライザーに襲い掛かって来る。


先に進んだ直樹と赤木は……。

「アイツ大丈夫か?」

「大東なら心配ないさ」

「そうか……」


そこにグランドヴィランが現れ攻撃してきた。

「おらぁぁ!!」

「うおっ!?」

グランドヴィランの攻撃は床を叩き割った。

「次はコイツか……」

「フンッ……テメェらを先に進ませる訳には行かないんでな……」

「工藤、先に行け……ここは俺が……」

「赤木……分かった頼むぜ!」

赤木は『変身』

ダッシュライザー登場。

「俺が相手だ……」

「サツか……丁度いい……恨みを晴らしてやるぜ!!」

グランドヴィランはダッシュライザーに襲い掛かって来た。

「行くぞ!!」

ダッシュライザーも戦う。

「工藤!行け!!」

「ああ!」

直樹は先に走り抜ける。


その頃、エクスライザーとウィンドヴィランも激しい戦闘を繰り広げていた。

「喰らえ!!」

ウィンドヴィランが突風を巻き起こす。

「くっ……ならコレだ!」

エクスライザーは『ミラージュキー』で幻想を作り出し撹乱した。

「チッ……どれが本物だ……?」

「ここだよ!」

エクスライザーは『ライザーショット』で攻撃。

「ぐわっ!?」


そして、グランドヴィランも怒涛の攻撃をダッシュライザーに仕掛ける。

「オラオラオラ!!」

「くっ……なんてパワーだ……」


そして、直樹が辿り着いた先に……。

「待ってたわよ……探偵さん……」

「!お前は……三条美奈保……」

そして三条は美紀を連れて居た。

「美紀!?」

「あっ……な……直樹……さん……」

美紀はかなり弱っていた。


「あなたとの決着をこの娘にも見せてあげようと思って……わざわざ連れてきてあげたのよ」

「三条美奈保……許さねぇ!」

直樹は『変身』

エクスカイザー登場。

「いいわ……早速始めましょ……」

三条もウォーターヴィランに『変身』


エクスカイザーがウォーターヴィランに攻撃を仕掛ける。

ウォーターヴィランは水を操り反撃しエクスカイザーを寄せ付けない。


ウィンドヴィランはかまいたちの様な攻撃でエクスライザーを苦しめる。

「ぐわっ!?」

「フッフッフッ……さっきはよくもやってくれたな……今度は俺がお前を切り刻んでやるぜ……」

ウィンドヴィランは容赦なく攻撃を続ける。


その頃、行方を眩ませていた玲奈は別のルートで黒沢の元を目指していた。

通気口を通りヴィラン達の目を掻い潜って直接会長室に向かう。


「ヴィランを大東達に任せて正解だったわ……お陰で会長室に直行よ!」


グランドヴィランの猛攻でダッシュライザーも大ダメージを受けていた。

「くっ……」

「へっ……そろそろお前も終わりだな……死ね……」

グランドヴィランがダッシュライザーに迫る。


一方エクスカイザーはウォーターヴィランに近づけずにいた。

「クソッ……あの女……水をまるで手足の様に操ってやがる……」

「疲れたでしょ?探偵さん……そろそろ休んでいいわよ?永遠に……」

「直樹さん!!」

美紀が力の限り叫ぶ。

「み……美紀……おやっさん……ごめん……俺じゃ……美紀を守れないみたいだ……探偵失格だな……」

ウォーターヴィランがエクスカイザーにトドメを刺そうと迫る。

直樹は朦朧とする意識の中で師匠である岡本総司の姿を見た。

(直樹……探偵ってのはな……一度受けた依頼を絶対に投げ出しちゃならねぇ……そんな事をしたら探偵の魂が死んじまうからだ……探偵なら最後まで諦めるな……)

その言葉が直樹を奮い立たせた。

「そうだ……俺は……探偵だ……おやっさんの教えを思い出せ……探偵なら最後まで諦めねぇ!!」

エクスカイザーは立ち上がった。

「何っ!?どこにまだそんな力が!?」


そして、他の2人も同じだった。

自分の信念の為に立ち上がった。

「俺は……刑事だ!犯罪者を許す訳には行かねぇんだ!!」

ダッシュライザーは立ち上がる。


「僕にも……譲れない物がある……だから……ここで倒れる訳には……行かない!!」

エクスライザーも立ち上がる。


「くっ……コイツまだ……」

「僕は怪盗として相手を傷つけないのをポリシーにしてた……だけど、お前だけは……」

エクスライザーは『ライザーショット』に『Xキー』を差し込んだ。

そしてウィンドヴィランに向けて構える。

「ん?……何をする気だ……」

エクスライザーの必殺技『エクストリームバースト』が炸裂。

「うっ……うわあぁぁぁぁっ!?」

ウィンドヴィランを倒して『ウィンドキー』を破壊。

六ツ木は大ダメージを受け気を失った。

「はぁ……はぁ……まったく……僕のポリシーに反する事させるなよ……」


そして、ダッシュライザーも……。

「あと10秒だけ相手をしてやる……」

ダッシュライザーは『ブーストキー』を使って『ブーストフォーム』にチェンジした。

10秒のカウントがスタート。

ダッシュライザーの超スピード攻撃にはパワーファイタータイプのグランドヴィランでは全く対抗出来なかった。

「ぐわっ!?しまった……奴にはこの超スピードがあるのを忘れてたぜ!?」


残り3秒……。

ダッシュライザーの必殺技『ブーストクラッシュ』を発動。

残り2秒……。

右手にエネルギーが集まりグランドヴィランに叩き込む。

残り1秒……。

攻撃を喰らったグランドヴィランの『グランドキー』は破壊された。


「終わりだ……」

ダッシュライザーは元の姿に戻りグランドヴィランを倒した。


エクスカイザーは『EXキー』で『エクストラフォーム』にチェンジ。

エクスカイザーは『エクストラブレード』を手にウォーターヴィランに近付いて行く。

「くっ……喰らえ!!」

ウォーターヴィランの水の攻撃。

しかし、『エクストラブレード』に弾かれる。

「そ……そんな!?」

「三条美奈保……これで終わりだ!」

エクスカイザーは『エクストラブレード』を振り上げる。

必殺技『エクストラブレイク』がウォーターヴィランを切り裂く。

「ぎやぁぁぁぁぁ!?」

『ウォーターキー』を破壊。

三条美奈保は倒れた。

「ハァ……ハァ……ったく……手こずらせやがって……」

エクスカイザーは美紀の方へ。

「美紀、大丈夫か?」

「はい……大丈夫です……」

「ごめんな……中々助けに来られ無くて……」

「いえ……信じてましたから……」


そして、エクスライザーとダッシュライザーも追いついて来た。

「工藤!無事か?」

「皆!ああ……大丈夫だ……」


そこに……。

「随分と派手にやってくれたね……」

そう声がし振り向くと……。

そこには黒沢が立っていた。

「黒沢!」

「M、彼女を……」

「はい……」

Mに連れられて傷付いた玲奈がやって来た。

「玲奈!?」

「このネズミが私の部屋に入って来てね……目障りだったんで少しお仕置きをした所だよ……」

Mが玲奈を投げ返す。

「がっ!?」

玲奈は気を失っていたが、その衝撃で目を覚ます。

「玲奈!大丈夫か?」

エクスライザーが玲奈を抱き起こす。

「大……東……あの男は……本物の……悪魔よ……」

「玲奈……何があった?」


「私の力の一部を見せてあげただけだよ……今から君達にも見せてあげるよ」

そう言って黒沢は『デビルキー』を持ち不適に微笑んでいた。


続く……。

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