第28話「本当の絶望……」

3人のヴィラン達との決着を着けた直樹達の前に黒沢とMが玲奈を捕えた玲奈を連れて現れた。


「君達にも見せてあげるよ……」

そう言って黒沢は『デビルキー』を見せて不適に微笑んでいた。


「黒沢……貴様!!」

「ここで……決着を着けてやる!!」

「貴様を必ず逮捕する!!」


「若いってのは良いね……威勢だけはある……でも、今の私は君達の様な愚かな若者にも負けないよ」

黒沢は『デビルキー』で『変身』

デビルヴィランが登場。


「美紀……その子を頼む……」

「え……ええ……」

美紀は玲奈を連れて離れる。


「私も手伝いますよ会長」

「M、ここは私にやらせてくれ……」

「はぁ、そうですか……では……」

Mは引き下がる。


3人はデビルヴィランに一斉に攻撃を仕掛ける。

だが、デビルヴィランの衝撃波で一瞬にして弾き飛ばされてしまった。

「何っ!?触れる事も出来ないなんて……」

「悪魔の力を舐めない方がいい……私が持っているのは本物の悪魔の力なのだから……」


「くっ……ふざけるな……ここまで来て……やられてたまるか!!」

エクスライザーが1人で攻撃を仕掛ける。

「待て!」

ダッシュライザーが止めるがエクスライザーは攻撃をする。

「だから……無駄だって……」

デビルヴィランはエクスライザーを衝撃波で弾き飛ばす。

「ぐわっ!?」


「まず、君から死ぬかい?」

デビルヴィランはエクスライザーに迫る。

「ダメ……大東!」

玲奈が叫ぶ。


「くっ……ここまでか……」

デビルヴィランは光弾を作り出しエクスライザーに向けて放つ。


エクスライザーは避ける事が出来ない。


「エクスライザー!?」


だが、その時!

エクスライザーの前に玲奈が飛び出した。

「きゃあぁぁぁっ!?」

「玲奈!?」


玲奈はデビルヴィランの光弾をまともに喰らい吐血し倒れた。

「何っ!?自らの命を投げ出してエクスライザーを助けただと!?フッ……バカな小娘だ……」


「貴様ー!!」

ダッシュライザーがデビルヴィランに猛攻撃を仕掛ける。


「工藤!今の内に彼女を連れて外へ!」

「あ……ああ」


エクスカイザーは美紀を連れてエクスライザーと玲奈の側に集まる。

「大東……ここを脱出しよう」

「ああ……」

エクスライザーは玲奈、エクスカイザー、美紀を連れて外へ瞬間移動。


そして、外へ出て玲奈を寝かせる。

「玲奈!玲奈!しっかりしろ!」

「美紀!救急車だ!早く!」

「は……はい!」

美紀は119へ電話を掛ける。


「玲奈!玲奈!」

エクスライザーは呼び掛け続ける。

「か……勝也……ごめん……」

「謝るのは僕の方だ……死ぬなよ玲奈!」

「それ……ちょっと……無理っぽい……あんた達が戦ってる間に……黒沢の部屋まで行って……殺そうとしたんだけど……ダメだった……」

「何でそんな無茶を!?」

「許せなかったから……黒沢の事が……」

「だからって……」

「お願い……必ず黒沢を倒して……約束ね……」

そう言い残し玲奈は息を引き取った。

「玲奈?玲奈ー!!」

エクスライザーは必死に名前を呼び掛け続けた。

しかし、玲奈が目を開ける事は無かった。

「そんな……」

美紀は玲奈の死を目の当たりにして驚きを隠せない。

「クソッ……黒沢め……」


そして次の瞬間!

ダッシュライザーも黒沢のビルから追い出されて来る。

「ぐわぁぁぁっ!?」

「赤木!?」

エクスカイザーとエクスライザーはダッシュライザーに駆け寄る。

「大丈夫か?」

「くっ……工藤……大東……奴は……強……過ぎる……」

ダッシュライザーは変身が強制解除され赤木の姿に戻った。

「やれやれ……その程度の力で私に歯向かうとは……哀れな男だ……」

デビルヴィランが後を追って来た。

「黒沢……」

「そろそろ纏めて葬ってあげよう」


そこへ三浦が走って来た。

「皆!大丈夫か?」

「三浦さん!来ちゃダメだ!」

エクスカイザーは叫ぶ。

「え?」

「死ねー!!」

デビルヴィランは更に巨大な光弾を作り出しエクスカイザー達にトドメを刺そうとしてくる。

エクスカイザーは『エクストラブレード』を構えた。

「皆、逃げろ……ここは俺が喰い止める……」

「工藤……お前死ぬ気か?」

「いや……俺は勝つよ。大東、皆を頼む」

「……分かった」

デビルヴィランの巨大な光弾が襲い掛かる。

エクスカイザーはその攻撃を『エクストラブレード』で受け止める。

「ぐっ……」


「今の内だ!」

エクスライザーは全員を連れて瞬間移動した。

「直樹さん!直樹さーん!?」

美紀は最後まで叫び続けた。


「チッ……仲間を逃したか……だが、お前だけでも……」

デビルヴィランは更に攻め立てる。

「ぐっ……ぐわぁぁぁぁぁっ!?」


その光弾の威力は凄まじく地面は割れ巨大なクレーターが出来た。


「おっと……危ない危ない……自分のビルまで壊してしまう所だった……」


デビルヴィランは変身を解除した。

「さて、残りの仲間もいずれ殺すか……」

黒沢は帰って行った。


エクスライザーが瞬間移動した先は岡本探偵事務所だった。

「さて、これからどうする?」

変身を解除し大東が問い掛ける。

「どうするって言っても……あの強さだ……俺達の力では……」

「直樹さん……」

直樹を心配し落ち込む美紀……。

「大丈夫さ……工藤は必ず生きてる……もうすぐ帰って来るさ」

「うん……」

「そろそろ警察隊が突入する時間だが……奴の力の前では危険過ぎる……」

「でも、どうするんですか?」

「もう一度上に掛け合ってみるよ」

三浦はそう言って出て行く。


黒沢はビルに戻りMと会っていた。

「まったく……約に立たない奴らばかりだ……」

「ごもっともです……」

「彼らはどうした?」

「全員気を失ってましたので医務室で寝かせてあります」

「そうか……もう彼らに用はない……直ぐに処分してくれ」

「処分?ですか……」

「そうだ……聞こえなかったか?」

「はい……かしこまりました……」

Mは会長室を出て行く。


岡本探偵事務所をある人物が訪ねて来た。

「すみません、失礼しますよ」


やって来たのは芝原京太郎だった。

「芝原さん!?何でここに?」

「ああ、私の予想を遥かに上回る事態になってしまったんでな……」

「デビルキーの事ですか?」

「そうだ。私の計算では君達3人の力が合わさればデビルキーの力にも対抗出来るはずだった。だが、奴の力は想像以上だった」

「一体どうして?」

「元々黒沢の作ったヴィランキーには人間の欲望を増幅させる力があった。それが人間を犯罪に導いていたんだ。だが、デビルキーは黒沢だけの欲望ではなく、他のヴィランキーからの欲望も吸収し力を増幅させていたんだ」

「じゃあ、俺達では奴に勝てないと?」

「今のままではな……だが、奴に対抗する為に新たなアイテムを開発した。少々完成までに時間が掛かってしまったがな」

「新たなアイテム?」

「そう、エクスカイザー、エクスライザー、ダッシュライザーの3人の力を1つにして更なる力を生み出す究極のキー……トリニティキーをな」

「トリニティキー?」

「ああ、これを使えば君達3人は……工藤君はどうした?」

「それが……」

美紀達は芝原に直樹の事を説明した。


「そんな……まさか工藤君が……」

「アイツはきっと生きてる……だが、まだ帰って来ない……」

「そうか……よし、少し工藤君を待つとしよう」


その頃、直樹は……。


生きていた。

「クソッ……このままじゃ……奴を倒せない……」

直樹は深手の傷を負い思うように動けないでいた。


三浦は警視庁に戻り機動隊の突入を中止する様に掛け合ったが、上層部はそれを聞き入れず警察機動隊が黒沢グループ本社ビルに突入を開始。


善戦虚しく機動隊はデビルヴィランの手によって全滅した。


「さてと……警察共が仕掛けて来た様だ……目障りだから先に潰しておくか……」


そして、Mは医務室で眠っている六ツ木、土門、三条の前にやって来た。

「処分……か……あの人は本当に悪魔になってしまった様だ……恨むなら私ではなく黒沢会長を恨んでくれよ」

Mは3人に毒物を注射し殺害。

「さて……後はどうしますかね……」


黒沢は再びデビルヴィランに変身した。

そして向かった先は……。


警視庁だった。

「ここを破壊すればこの国の秩序は崩壊する……」

デビルヴィランは警視庁に向かって光弾を放った。


警視庁の外壁が破壊され警察も大パニック。

三浦が居た階は破壊されなかったが物凄い衝撃で建物全体が揺れた。


「何だ!?」

すると、館内にアナウンスが流れた。

《現在、当館はヴィランの襲撃を受けた。直ちに避難されたし、直ちに避難されたし》

「ヴィランだと!?クソ……」

三浦は直ぐに赤木に電話をした。

「赤木!今本庁がヴィランの襲撃を受けてる!直ぐに戻って来てくれ!」


連絡を受けた赤木が警視庁に戻ろうとする。

「待って赤木さん!」

美紀の呼び掛けに赤木は立ち止まる。

「赤木さん……お願い……死なないで……」

「ああ……」

赤木は事務所を出て行く。


デビルヴィランの執拗な攻撃は警視庁を次々に破壊して行った。

三浦はライフルを構えデビルヴィランに攻撃した。


デビルヴィランに見事命中したが、デビルヴィランには効いておらず逆にデビルヴィランの反撃を受けてしまう。

「チッ……邪魔だ!」

「うわっ!?」

デビルヴィランの衝撃波が三浦を襲った。

三浦は吹き飛ばされ倒れた。

「ぐあっ!?……クソッ……」

デビルヴィランは地上に降り三浦に迫る。


「まず最初にお前を殺そうか?」

「くっ……」


だが、そこへ赤木が到着。

「三浦さん!?」

「赤木!?来てくれたか……」

「やれやれ……また君か……」

赤木は『変身』

ダッシュライザーが登場。

ダッシュライザーはデビルヴィランに向かって走り出す。

「今度こそ消してやろう」

ダッシュライザーは『ダッシュスナイパー』でデビルヴィランを攻撃。


しかし、デビルヴィランには攻撃が全く通用しない。

「クソッ……やはりダメか……」


デビルヴィランの反撃。

衝撃波がダッシュライザーを襲う。

「ぐわっ!?」


後から追ってきた大東も到着。

「黒沢ー!!」

大東も『変身』

エクスライザーがデビルヴィランに攻撃を仕掛ける。

『ライザーショット』で攻撃。


だが、デビルヴィランに攻撃は通用しない。


2人が苦戦する中、直樹はようやく事務所に帰り着いていた。

「直樹さん!?」

「美紀……」

「大丈夫ですか?」

美紀が駆け寄る。

「ああ……なんとかな……」

「でも怪我してる……」

「この位平気だ……それより赤木と大東は?」

「それが……デビルヴィランが警視庁を襲ったみたいで2人共向かったんです……」

「そうか……」

そして、芝原も直樹の所へ近付いて来る。

「工藤君……コレを……」

芝原は『トリニティキー』を直樹に渡した。

「コレは?」

「デビルヴィランを倒す最後の力だ。コレで赤木君と大東君と力を合わせて戦うんだ」

「ちょっと待って下さい!直樹さんはもうボロボロなんですよ?なのにまだ戦わせるなんて……」

「美紀……おやっさんは言ってた……探偵なら一度受けた依頼を投げ出すなって……芝原さんから受けた依頼……まだ途中でしたしね」

「直樹さん……」


デビルヴィランと戦うダッシュライザーとエクスライザーは大ピンチに陥っていた。

「もういい加減しつこいね……そろそろ死んでくれないかな?」

「おい大東……まだ動けるか?」

「誰に聞いてるんだ?怪盗に不可能は無いんだよ……」

ダッシュライザーとエクスライザーは最後の力を振り絞って立ち上がる。


「終わりだ……」

「うぉぉぉぉぉ!!」

ダッシュライザーとエクスライザーは最後の力でデビルヴィランに挑む。

果たして彼らの運命は?

世界の運命は?

戦いはいよいよ最終局面を迎える。


続く……。

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