ヴィラン革命

第24話「悪魔の力」

ジュエルヴィランを倒したエクスカイザーとダッシュライザーの前に遂に黒沢が姿を現した。

黒沢は『デビルキー』で変身しデビルヴィランとなった。


「フッフッフッ……君達には消えてもらう……私の計画には邪魔なんでね……」


「何っ!?」

デビルヴィランはエクスカイザーに攻撃をしてくる。

右手から黒い光弾が放たれる。

「危ない!!」

咄嗟にダッシュライザーがエクスカイザーを突飛ばし身代わりになる。

「ぐわぁぁぁぁっ!?」

ダッシュライザーに当たった光弾は激しく爆発しダッシュライザーに大ダメージを与える。

「赤木ー!?」


ダッシュライザーは倒れ変身解除。

赤木は大怪我を負っていた。

「赤木……くっ……貴様ー!!」

エクスカイザーがデビルヴィランに殴り掛かる。

だが、間にエクスライザーが割って入りエクスカイザーを止める。

「待て!奴とは戦うな!」

「エクスライザー!テメェ、こんな時に邪魔する気か!?」

「違う!!今は引くんだ!!」

エクスライザーは『スモークキー』を使い、煙で姿を隠す。


その間にエクスカイザーと赤木を連れてその場から離れる。


「フンッ……逃げたか……無駄な事を……」

デビルヴィランは変身を解除し黒沢は帰って行く。


赤木は救急車で病院に搬送された。


直樹は大東に連れられ事務所に戻って来た。

「クソッ!なんなんだ奴の力は!?」

「奴は悪魔の力を手に入れた。全ての人類を超人に変える為に……」

「そんな……奴は何でそんな事を?」

「俺にもそこまでは分からない……だが、奴を止める為にはお前の力が必要だ」

「大東……」


それからしばらくして元の姿に戻った美紀が事務所に帰って来た。

「直樹さん!帰ってます?」

美紀は勢い良く事務所の扉を開けた。

「美紀!そっか、お前元に戻れたんだな!」

「ええ……あれっ?お客さん?」

「えっ!?あっ……まぁそんな所だ……」

そして、直樹はある事に気付いた。

「あっ!美紀が戻れたって事は真弓さんも!」

直樹はスマホを取り出し杉下雅恵さんに電話を入れた。

しかし、まだ真弓からの連絡は無いと言う。


電話を切ると今度は三浦に電話を掛けた。

三浦によるとジュエルヴィランに宝石に変えられていた人々を保護し、身元を確認している所だと言う。

真弓さんが確認出来るのは時間の問題だろう。

更に赤木の容態を聞く。

赤木は怪我が酷くしばらくは絶対安静だと言う。

今は赤木の力を借りる事は出来ない。

直樹と大東は2人で黒沢への対抗手段を考える。


その頃、黒沢は会社に戻り『エレメントキー』を持つ3人とMを呼び出していた。


「皆揃ったね……君達に頼みがある……」

黒沢の頼みとは……?


直樹と大東は夜まで黒沢への対抗手段を考えていた。


「しかし、奇妙な光景だな……探偵と怪盗……敵対関係にある我々がこうやって策を練ってるとは……」

「確かにな……お前がこんなに協力してくれるとは思わなかったよ……なぁ、大東……そろそろ教えてくれないか?何故お前がエクスライザーになり怪盗を始めたのか……そして黒沢と何があったのか……」

直樹は大東に核心に迫る質問を投げ掛けた。

「そうだな……」

大東は少し考えている。


「はーい、2人共、ちょっと休憩してご飯にしない?」

そう言って美紀がおにぎりとお茶を持って来た。

「おっ!おにぎりかぁ何か久しぶりだな」

直樹は早速おにぎりを1つ手に取って食べる。

「おっ!シャケだ!」

大東もおにぎりを1つ取って見つめる。

大東は何かを思い出しているようだった。


それは大東の幼い頃の思い出……。

大東の家族は一流のマジシャンをやっている父とそのアシスタントをしている母との3人家族だった。

忙しい中でも休日には幼い大東を連れて良くピクニックに行っていた。

その時、母が良く作ってくれたのがおにぎりだった。


「大東?どうした?」

直樹の問い掛けにふと我に戻る。

「!……いや、何でもない……」

そう言って大東はおにぎりを1口食べた。

「うん!美味しい!」

「本当?良かった!」

美紀も満足げな表情だ。


その頃、事務所に近付く2つの影……。


「ここか……エクスカイザーの事務所は……」

そう言うのは六ツ木。

「ええ……間違いないわ……」

そう返すのは三条。

「んじゃ、さっさと終わらせるか!」

六ツ木はウィンドヴィランに変身。

「そうね……」

三条はウォーターヴィランに変身。


ウィンドヴィランが突風を巻き起こし事務所の窓ガラスを割った。


「きゃっ!?」

美紀は驚いて悲鳴を上げる。

「何だ!?」

慌てて直樹が外を見る。

「出てこい!エクスカイザー!俺と勝負しろ!」

「あいつ……ウィンドヴィラン!クソッ!」

「奴らめ……ここまで来たか……」

直樹は急いで外へ出る。

「あっ!ちょっと待て!」

大東もそれを追い掛ける。


直樹が外に出るとウィンドヴィランが待ち構えていた。

「テメェ……」

そして、大東も後を追って来る。

「探偵、手を貸すよ?」

「貴様!?大東!?なるほど……その探偵と手を組んだ訳か……丁度良い……まとめてあの世へ送ってやる!」


直樹と大東は揃って『変身』

エクスカイザーとエクスライザーが登場。

エクスカイザー達とウィンドヴィランが対峙する。

だがそこに黒沢に洗脳された一般人達が集まり2人を取り囲む。

「何だ?何でこんなに沢山の人が?」

「皆!危ないから下がって!」

エクスカイザーが呼び掛けるが人々は無反応。

「何だ?どうしたんだ?」

そして、周囲の人々は黒沢が大量に販売した量産型のヴィランキー『トルーパーキー』を取り出す。

「それは……」

周囲の人々が一斉にトルーパーヴィランに変身。

「何だと!?」

「なるほどな……こりゃあいい……行け!ヴィラン共!エクスカイザーとエクスライザーを殺せ!!」

トルーパーヴィランが一斉にエクスカイザーとエクスライザーに襲い掛かる。

「うわっ!?」

「このっ!?」

エクスカイザーは必死にトルーパーヴィランを傷つけない様に戦う。

「おい、大東!この人達を傷付けるなよ?」

「はぁ?この期に及んでそんな事言ってんのか!?相手は全部ヴィランだぞ!」

エクスライザーは容赦なく『ライザーショット』でトルーパーヴィランを打つ。

「止めろって!」

トルーパーヴィランは力を弱く攻撃を受けたら倒れて行った。

ウィンドヴィランは突風を巻き起こしトルーパーヴィランも巻き込んでエクスカイザー達を攻撃する。

「うわあぁぁぁぁっ!?」

エクスカイザー達がウィンドヴィランと戦っているその頃、ウォーターヴィランは事務所を襲撃していた。


「きゃっ!?」

美紀に迫るウォーターヴィラン。

「一緒に来なさい……」

「嫌っ!来ないで!」

だが、ウォーターヴィランは美紀を捕える。

そして事務所の外へ連れ出す。


「動くな!このお嬢ちゃんの命が惜しければねぇ……」

「美紀!?」

ウォーターヴィランが美紀を人質にエクスカイザーを脅迫。

「お前もだよエクスライザー」

「くっ……」

エクスカイザーとエクスライザーは身動きを封じられた。

トルーパーヴィランとウィンドヴィランがエクスカイザーとエクスライザーを一斉に攻撃。

「うわあぁぁぁぁっ!?」

「ぐわぁぁぁぁっ!?」

突風で吹き飛ばされるエクスライザー。

エクスカイザーはその突風で壁に叩き付けられる。

「フフッ……行くよ」

「待て、黒沢会長からはコイツらを消せって命令だったぜ?」

「ただ消すだけじゃ面白くないでしょ?もっと苦しめてじわじわ殺すのよ」

「なるほどな……お前、恐ろしい女だな」

「うるさい!」

ウォーターヴィランとウィンドヴィランは美紀を拉致して姿を消す。

「み……き……」

エクスカイザーは力尽きて気を失う。


それから少しして警察が到着。

「おい、直樹君!しっかりしろ!直樹君!」

三浦が必死に声を掛ける。

「ん?み……三浦さん?」

エクスカイザーの変身は解除され直樹の姿になっていた。

「大丈夫か?何があったんだ?」

直樹は何とか立ち上がる。

「くっ……ヴィラン達に事務所を襲撃されて……美紀が拉致された……」

「何だって!?」

直樹はフラつく。

「おっと!」

三浦に支えられる。

「三浦さん……すまねぇ……」

「何言ってるんだ……とにかく署に来い。今事務所は現場検証されてるから」


三浦に連れられパトカーで警視庁に向かう直樹。

深夜の街をパトカーが走って行く。

直樹は景色を見ながら考え事をしていた。

それは黒沢の狙い……。

全ての人間をヴィランにされたら大変な事になってしまう。

それを阻止する為には黒沢と直接戦わなければならない。

しかし、黒沢のデビルキーの圧倒的な強さにどう対抗すればいいのかが分からなかった。


直樹が警視庁に向かっている頃、大東は突風で飛ばされた先で川に落ちて流されてしまっていた。

果たして大東は無事なのか?


黒沢の元に戻ったウォーターヴィランとウィンドヴィランは黒沢の前に美紀を差し出す。

「ほぉ……これはこれは……探偵助手のお嬢さん……ようこそ」

「黒沢……」

美紀は遂に父を殺した黒幕である黒沢と対面した。

(コイツがお父さんを……許さない……)

美紀は怒りがこみ上げ唇を噛み締める。

「しかし……私はエクスカイザーを殺せと命じたはずだ……何故殺して来なかった?」

「会長……簡単に殺しても面白くないと思いまして……もっとじっくり苦しめてから殺した方が楽しいかと」

「そうか……なるほどね……なら彼らを招待してやるか……死のパーティーへのね……」

黒沢達は何やらエクスカイザーを殺す為の恐ろしい計画を企てようとしていた。


警視庁に到着した直樹はひとまず仮眠室を借りて仮眠を取る事に。


「はぁ……やれやれ……赤木も直樹君もあの状態だし……山本はどこかに行ってしまって居ないし……俺はこれからどうすればいいんだ……」

そうボヤキながら三浦は一服しようと喫煙室に向かう。


今、黒沢による恐ろしい計画が始まろうとしていた。

それは三浦が煙草を吸いに喫煙室に入った時、テレビから流れたニュースによって知る事になる。

ニュースではキャスターが臨時ニュースとして早くも岡本探偵事務所襲撃事件の情報を流していた。

そこに更に新たな情報として入って来たニュースをキャスターが読み上げる。

何と、この事件の犯人はエクスカイザーだと誰かが情報を流したようだ。

そしてエクスカイザーの正体も晒され直樹がエクスカイザーだと言う事を全国に流されてしまった。


「何っ!?」

三浦は急いで煙草の火を消し、仮眠室で眠る直樹を起こしに行く。

「直樹ー!直樹!起きろー!!」

「あー!!もう!なんだよ三浦さん……今やっと眠りにつき始めた所だったのにぃ……寝入りばなに起こされるの一番嫌なんだけど……」

うん、それは分かる。

でもそんな事言ってる場合じゃない。

三浦は無理矢理直樹を引っ張ってテレビのニュースを見せに行く。

直樹はニュースに出ている自分の顔を見てようやく眠気が吹っ飛ぶ。

「えぇっ!?ウソだろ!?」


続く……。

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