第7話「エクスカイザーVSエクスライザー」
遂にエクスカイザーとエクスライザーが対決……。
エクスカイザーがエクスライザーを捕まえる為に戦いを挑む。
「おっと……簡単には捕まらないよ!」
エクスライザーがエクスカイザーに攻撃。
エクスライザーは銃タイプの武器『ライザーショット』で撃ってきた。
「うわっ!?コイツ……武器まで……」
「君なら遠慮は要らなそうだからね……」
そう言って更に『ライザーショット』で撃ってくる。
エクスカイザーはその攻撃を避け『エクスリボルバー』で反撃。
「くっ……なるほど、やるな……」
「当たり前だ……俺は探偵……犯罪者には容赦しない」
「フッ……だが、これならどうかな?」
エクスライザーは新たなキー『ミラージュキー』を使った。
すると、エクスライザーが2人に分身。
「何っ!?」
エクスカイザーが1人に攻撃。
しかし、その攻撃はすり抜けてしまう。
「残念……それはハズレだ……」
「くっ……だったらもう1人が!」
だが、エクスライザーは2人……4人……8人とどんどん倍に増えて行った。
「クソッ……どれが本物だ!?」
そして、エクスライザーの分身からランダムに攻撃を受ける。
その攻撃を全く見切る事は出来なかった。
エクスカイザーはその場で膝を折る。
「クソッ……全く攻撃が読めねぇ……」
「フッフッフッ……次で最後だ。今日はお開きにしよう」
エクスライザーは分身を消し1人に戻る。
「くっ……」
エクスライザーは『ライザーショット』を構え攻撃。
「うわぁぁぁ!?」
エクスカイザーは倒れた。
しかし、その威力はエクスカイザーに大きなダメージを与えるものではなくエクスライザーが逃亡する為に怯ませたに過ぎなかった。
「クソッ……待て!」
しかし、そこにはもうエクスライザーの姿は無かった。
そこには一枚の予告状が残されていた。
それには《女神の雫はお返しした。また、次回お会いしましょう 令和のルパン、エクスライザー》と書かれていた。
「エクス……ライザー……奴は一体何者なんだ?」
その後、無事に《女神の雫》は戻されたが念のため専門家による鑑定が行われる事になった。
-翌日-
直樹はいつになく不機嫌だった。
「チッ……」
エクスライザーの新聞を見ながら舌打ちをする。
「今日、朝からずっと不機嫌ですね……」
美紀が心配する。
「当たり前だろ……奴に逃げられたんだから……」
「まぁ、そりゃ悔しいでしょうけど……エクスカイザーだって逃がしたのに直樹さんが捕まえられなくても仕方ないですよ……」
「お前な!」
その時、誰かが事務所のドアを叩いた。
「!はい、どうぞ?」
入って来たのは若い男性だった。
「あの~人を探して欲しいんですが……」
「あっ、はい……どうぞお掛けください」
直樹が男性を座らせる。
(この事務所何気に人探しの依頼多いな……)
美紀はそんな事を思っていた。
早速直樹は男性から話を聞く。
今回の依頼人は葉山博(はやま ひろし)さん25歳。
夢を追ってコンビニでアルバイトをしているフリーターらしい。
依頼内容はマッチングアプリで知り合った女性と連絡が急に取れなくなり探して欲しいと言う内容だった。
更に詳しく話を聞いた。
その女性の名は本田 由美(ほんだ ゆみ)24歳。
マッチングアプリで知り合ってから何度か会っている。
しかし、正式に付き合う事になった途端彼女は親の借金があってその借金を返済するまで結婚には踏み出せないと言い出した。
そこで博は貯金を切り崩し30万円を渡した所でまだ借金が返せないから家族で夜逃げする事になったと言い連絡が途絶えた。
「それって……」
美紀が口を開いたが直樹がそれを止めた。
「お話はわかりました。では正式に依頼書を作成しますので少しお時間を頂きます」
そう言って直樹は奥の部屋に行った。
奥の部屋で直樹と美紀が話す。
「直樹さん、これって……」
「ああ……結婚詐欺の可能性があるが、まだ断定は出来ない……少し様子を見よう」
直樹は依頼書を持って戻る。
「では葉山さん、この依頼書をお渡ししますので記入して下さい」
「はっ、はい」
博は依頼書を記入し最後にサインをした。
「ではご依頼を承ります。何か進展があったら私の携帯に連絡下さい」
そう言って直樹は、名刺を渡す。
「はぁ……それでは宜しくお願いします」
博さんは帰って行った。
「よし……早速行くぞ」
直樹と美紀は早速調査を開始。
まず、由美の情報を得る為、マッチングアプリを運営する会社を訪ねる。
しかし、運営会社も個人情報の為教える事は出来ないと断られた。
「まっ……そう簡単には行かねぇか……」
そう言って直樹は次は警視庁に向かう。
前持って三浦に協力を頼んでいた。
「おう、待たせたな直樹君!」
三浦と山本がやって来た。
「探偵!またお前か!!どんだけ邪魔すれば気が済むんだ!!」
山本はまた喧嘩を吹っ掛けてくる。
「あん?テメェに用はねぇんだよ……ってかこっちも仕事だ……」
「はいはい!ストップストップ!」
美紀が割ってはいる。
「おっと……そうだった……三浦さん、頼んでた物は?」
「ああ……調べておいたぞ……」
そう言って三浦は資料を開く。
どうやら本田 由美と言う女は結婚詐欺の常習犯で今まで何人もの男達から金を騙し取っていたらしい。
以前にも何度か本田 由美の名を名乗っているが、他にも偽名をいくつも使っている様だ。
「うわ~……これ……かなりの悪女ね……」
「男を食い物にする悪女か……」
「この女は警察でも追っている……何か情報があったら知らせてくれ」
「ああ、三浦さんも頼むぜ」
そして、直樹と美紀は警視庁を後にした。
「これからどうするんですか?」
美紀が尋ねると……。
「そうだな……本田由美の他の被害者に当たろう」
直樹と美紀は調査開始。
その頃、警視庁では……。
「三浦さん!何で探偵なんかに捜査資料を?」
山本が三浦に詰め寄る。
「あの本田由美って女は、警察もマークしてたんだ。お互い情報共有して方がいいだろ?」
「はぁ……」
直樹と美紀は本田由美の被害者の1人稲垣文夫(35歳)の家を訪ねた。
「ここだな……」
直樹が家のインターホンを押す。
出てきたのは小太りで髪がボサボサのお世辞にもカッコいいとは言えない男が出てきた。
稲垣文夫本人だった。
(うわ~……こりゃモテないわ……)
美紀は内心そう思った。
美紀、流石に失礼だ。
直樹が話を切り出す。
「あの……本田由美さんについてお話を伺いたいんですが……」
「本田由美だと!?あの女……思い出すだけで腹が立つ……俺を散々弄びやがって……」
稲垣は本田由美を相当恨んでいる様だった。
「お話……伺えますか?」
「あんた……警察か?」
「いえ、私は私立探偵です」
そう言って直樹は名刺を渡す。
「探偵?まぁ、いいや。あの女を見つけてくれるなら……散らかってるがまぁ、入ってくれ」
そう言って稲垣は直樹達を部屋に通した。
確かに散らかってはいた。
ゴミ屋敷とまでは行かないが、キッチンには洗ってない食器が散乱し、居間のテーブルの上にはお酒の空き缶や食べた物の容器などがそのままになっており散らかっていた。
(うわ~……汚な……靴……脱ぎたくないな……)
また、美紀は内心思った。
直樹も気が引けたがとりあえず部屋の中に入る。
(うわ~……行くのか……仕方ない……)
美紀も覚悟を決めて部屋に入る。
稲垣は2人に座布団を出した。
その座布団もホコリを被っていた。
直樹が座るとホコリが舞い直樹と美紀は咳き込んだ。
「あっ……ごめんごめん……しばらく使って無かったから……」
(ここは……地獄か?)
また、美紀は内心思った。
気を取り直して直樹は話を聞き始めた。
「そっ……それじゃあ、本田由美さんについて知ってる事を聞かせて下さい……」
すると、稲垣は本田由美について話始めた。
稲垣は今から半年程前、マッチングアプリで由美と言う女と知り合った。
今まで女性にモテた経験など無かった稲垣は嬉しさのあまり舞い上がり直ぐに由美にのめり込んで行った。
仕事は真面目にしていた稲垣はそこそこに収入もあり、自分に使う事は無かった為由美にプレゼントしたり食事代を出したりしていた。
そんなある日由美から「母が病気になり手術費が掛かる為、200万貸して欲しい」と頼まれた。
稲垣は由美の為ならと思い200万円を貸したが、その後由美と連絡が一切取れなくなっていた。
直樹は話を聞き何としても本田由美を見つけなくてはならないと思った。
その後直樹と美紀は事務所に戻った。
辺りは薄暗くなりチラホラと街灯が点き始めていた。
「あ~疲れた……」
「そうだな……今日はもう帰っていいぞ」
「じゃあお先に……」
だがその時、誰かが事務所の扉を叩いた。
「ん?また依頼か?」
そこに入ってきたのは中年のサラリーマン風の男だった。
「あの~人を探して欲しいんですが……」
(またか……)
美紀はまた内心思った。
「どうぞ、お座り下さい」
その男性はソファーに座り依頼内容を話始めた。
男性の名前は中村幸男(なかむら ゆきお)43歳の会社員だ。
中村はマッチングアプリで知り合った女性と連絡が取れなくなり探して欲しいとの依頼だった。
女性の名前は本田由美……。
その時、直樹と美紀は確信した。
この中村と言う男も由美の被害者だと。
直樹は単刀直入に聞いた。
「その女性にお金を貸しましたか?」
「え?ええ……父親の手術費に300万円貸して欲しいと……」
「やっぱり……その女……今我々が探してる詐欺師なんですよ……もっと詳しく聞かせて下さい」
「え?詐欺師!?まぁ……怪しいとは思ってたんですけど……まさか本当に……」
中村はショックを受けていた。
だが、中村は直ぐに知っている事を話出した。
本田由美は新宿でエステの受付の仕事をしていると言う。
それも本当かは謎だが、直樹は一応調べてみる事にした。
その頃……。
灯りの薄暗いbarで女が1人で飲んでいた。
「フフッ……見つけたぞ……本田由美……いや……それとも岸田真弓(きしだ まゆみ)と呼んだ方がいいかな?」
「誰?あんた……」
「私はエクスライザー……ある人が君に興味を持って居てね……連れてくる様に頼まれたんだ……」
「ナンパならもっと別の言い方の方がいいわよ?」
「あいにく私自身はあなたに興味は無くてね……来ないなら力ずくでとまで言われているんだ……だが、女性にそうはしたくない……付いて来てくれますか?」
「フッ……いいわ……行きましょう……ボウヤ……」
そしてエクスライザーを名乗る男は本田由美をある人物の元に連れていく。
そこはさっきとはまた別の雰囲気のbarだった。
中には数人の客が居てカウンターに座る1人の男性とバーテンダーが喋っていた。
エクスライザーを名乗る男と由美が店に入るとカウンターに座る男の元にやって来た。
「来たか大東(だいとう)君…」
「ここでその名前で呼ばないで下さいよ……」
「まぁ、いいじゃないか……この店には君と同じ犯罪者しか居ないのだから……」
この男は一体何者なのか?
続く……。
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