第5話「美紀に迫る影」
美紀が受けた依頼を頼んで来た中村夫婦は何者かに殺害された。
その知らせを受けた美紀は事件現場である中村宅へ向かう。
美紀からの報告を受けた直樹も病院を抜け出し中村宅へ急ぐ。
-中村宅-
警察の現場検証は続いている。
「おい、何か出たか?」
三浦が鑑識の捜査官に尋ねる。
「先程髪の毛を見つけましたので、DNA鑑定に回してますが、他はこれといった物は……」
「凶器もまだ見つからないのか?」
「ええ……」
「こりゃあ、素人の仕業じゃないかもな……」
そこへ山本が部屋に入って来る。
「三浦さん、美紀さんが到着しました」
「そうか、通してやってくれ」
「はい」
美紀は山本に連れられ部屋にやって来る。
「酷い……」
美紀は殺人現場に驚愕していた。
「すまなかったな美紀ちゃん。だが、中村さんに何を依頼されたのかを説明してくれ」
そして、美紀は三浦に中村さんから受けた依頼の内容を説明した。
「行方不明の息子か……山本、捜索願いが出てないか問い合わせてくれ」
「了解しました」
山本は警視庁に義夫さんの捜索願いが出ているか電話で確認しに行く。
その頃、この事件に興味を持っていたジョーカーはある人物と接触していた。
「あんたがこの事件の犯人か……なるほど、薄汚い奴にはピッタリの能力だ……」
ジョーカーが接触したのはコカローチヴィラン。
「ん?誰だあんたは?」
「僕はジョーカー……あんたにそのキーを与えた人物からあんたを連れて来る様に頼まれてね……一緒に来て欲しい」
「Mか……何かまた良いものでもくれるのか?」
「さぁ?それは行ってからのお楽しみ……」
「フンッ……道化野郎の言う事は信用出来ねぇが……まぁ、Mの呼び出しなら行った方がいいか……」
彼の言うMとは何者か……?
そして、中村宅には直樹も到着。
「美紀!」
「直樹さん!?」
「おお、来たか直樹君……怪我は大丈夫か?」
「ええ、なんとか」
「あっ!探偵!お前まで来たのか!」
「ウチの助手が預かった事件だ……当然だろ」
そして、直樹も現場の状況を確認。
既に中村さん夫婦の遺体は運び出されたが、写真を見せて貰う直樹。
中村さん夫婦は2人とも鋭い刃物の様な物で心臓を一突きにされ殺害された模様。
しかし、現場にそれらしき物は無く、犯人が持ち去ったもしくは犯人の所有物だと思われる。
遺体の状態も妻の紀美子さんに覆い被さる様に國武さんが倒れて亡くなっている為、先に襲われた紀美子さんを守ろうとして國武さんも殺害されたと思われる。
更にこの現場となった部屋以外は荒らされた形跡も無いため夫婦は犯人を家に招き入れたと思われる。
そこまでの状況からして外部犯の可能性は高い。
警察は近隣の住人から中村さん夫婦に恨みを持つ様な人物は居なかったか聞き込みをしている。
そして、山本のスマホに警視庁から連絡が入る。
中村義夫さんの捜索願いは出ているが、まだ行方は掴めていないとの事だった。
山本は三浦に報告。
「そうか……まだ進展無しか……」
その頃、ジョーカーはコカローチヴィランをMと言う人物の元へ連れてきた。
「連れてきたよM」
Mの正体は以外にも背の高いビジネスマン風のスーツを来た若い男。
「ご苦労さん……さぁ、コカローチヴィラン……もう変身を解除しても大丈夫だよ……ここに居るのは私達だけ……そして、あなたは私にとって大事なお客様だ……おもてなしをさせて頂くよ……」
コカローチヴィランは変身を解除。
現場検証を終え警察が撤収する。
「遅くまですまなかったな」
三浦が直樹に声を掛ける。
「いえ、また何かあったら協力しますよ」
そして、三浦達と別れ直樹と美紀は帰っていく。
「今日は一日中動いてたから疲れただろ、このまま帰っていいぞ」
直樹が美紀を労う。
「そうですね……もうヘトヘトです……でも……まさか依頼人が殺されちゃうなんて……」
「ああ……仕方ないと言っちゃそれまでだが……俺はどうもこれが偶然とは思えない……」
「え?」
「いや、まだ確証は無いんだけどな……」
最寄駅から別れて電車で帰る2人。
直樹は時間的に病院に戻れない為、事務所に帰る事に。
時刻は既に0時を回っていて、終電ギリギリだった。
その頃、コカローチヴィランの正体の人物はMから新たなアイテムを渡されていた。
「そのキーを使えば、今の数倍の力が引き出せるはずだ……」
「ほぉ……これは使えそうだ……まだ消さなきゃならない奴がいるからな……」
コカローチヴィランの人物はMから受け取ったキーを持って帰っていく。
コカローチヴィランの人物が去ってからジョーカーとMが話をする。
「いいのか?あんな物タダでやって」
「構わないよ……まだ実験段階の代物だからね……丁度いい被検体になってくれるだろう」
Mは何かを企てている様子……。
そして深夜、都内にあるマンションの前にコカローチヴィランの姿があった。
コカローチヴィランは背中の羽根を使って飛行。
そのマンションの3階へ行った。
そこのある部屋を確認。
ベッドで眠っている1人の女性。
それは友美だった。
そして、コカローチヴィランは窓を破って部屋に侵入。
驚いた友美は必死に逃げるが……。
殺害された。
「お前は喋り過ぎた……余計な事を言わなければまだ生きられたものを……そして……後1人か……」
コカローチヴィランは棚の上に置いてあった美紀の名刺を破り捨てる。
そして翌朝事務所に向かう美紀の前にコカローチヴィランが現れた。
「ぎゃー!?虫ー!?」
「え?そこ?まぁ、いいや……来い!!」
コカローチヴィランが美紀を拉致。
その頃、事務所で直樹は考え事をしていた。
(中村さん夫婦が殺害されたのは偶然とは思えない……ウチに義夫さんの捜索を依頼しに来てすぐだもんな……)
直樹が考え事をしていると、窓から石が投げ込まれた。
「うをっ!?ビックリした~危ねぇ……誰だこんなイタズラするのは……」
見ると石は紙に包まれていた。
直樹はその紙を剥がして見てみる。
その紙には……
《貴様の助手は預かった、助けたければココまで来い》
と書かれていて、簡単な地図に赤い印が付いていた。
脅迫状だ。
「美紀……」
直樹は急いで車で指定された場所まで行く。
その場所は都心からは外れた郊外にある廃工場だった。
「ここか……」
直樹は車を止め、廃工場の中に向かった。
直樹が廃工場の中に入ると直ぐにコカローチヴィランと囚われた美紀が居た。
「美紀!?テメェ……」
「フッフッ……やっと来たか探偵……お前達は色々知り過ぎた。纏めて消してやる」
「思った通りだ……息子の捜索を依頼した依頼人が直ぐに殺害されるなんて出来すぎだと思ってたぜ……それは調査されればあんたが不利になるからだろ?義夫さんにパワハラした挙げ句、精神的に追い詰めたあんたが口封じの、為に中村さん夫婦を殺害したんだな……本島さん」
「そこまで見抜かれて居たか……」
コカローチヴィランは変身を解除。
その正体は直樹の推理通り義夫さんの元上司の本島だった。
「あんた本当は知ってるんじゃないか?義夫さんの居場所……」
「ああ、と言ってももうこの世には居ないけどな……」
「何っ!?」
なんと、本島は既に義夫さんを殺害していた。
「中村は家族揃ってあの世で会えてるだろうよ……下村も余計な事を言わなければ良かったんだが……全てを知ったお前達を含めて全員殺してやる!!」
本島はコカローチヴィランに変身。
「お前……最低だな……」
直樹も『変身』。
エクスカイザー登場。
「真実を見抜く眼、エクスカイザー参上!!」
コカローチヴィランがもう1本のキーを体に刺し強化された。
「死ねー!!」
コカローチヴィランが襲って来る。
エクスカイザーも戦うがコカローチヴィランはパワーアップしていて大苦戦。
更にそこにジョーカーも現れ大ピンチに!?
「ヒッハッハッハッハッ!エクスカイザー覚悟ー!!」
「何っ!?ジョーカー!?お前もか!?」
2体のヴィランを相手にエクスカイザーはなす術も無い。
ジョーカーはナイフで攻撃。
エクスカイザーは攻撃を必死にかわす。
「クソッ……このままじゃヤベェ……」
エクスカイザーは左腰のホルダーからキーを1本取り出す。
そして、左側の鍵穴に入れて回す。
エクスカイザーが使ったのは銃タイプの武器を出現させる『リボルバーキー』。
そして、『エクスリボルバー』が出現。
エクスカイザーは反撃に出る。
コカローチヴィランとジョーカーに1発ずつ撃つ。
「ぐっ……銃だと!?」
ジョーカーも驚く。
そして、エクスカイザーはもう1発撃ちジョーカーの手元を攻撃。
「ぐっ……」
ナイフを落とさせる。
今度はコカローチヴィランに1発撃つ。
コカローチヴィランにダメージ。
エクスカイザーはジャンプしコカローチヴィランにパンチを叩き込む。
その攻撃でコカローチヴィランは殴り飛ばされる。
ジョーカーがエクスカイザーに反撃。
エクスカイザーはそれをかわしもう1発撃つ。
「ぐっ……!?」
コカローチヴィランがエクスカイザーに突進。
エクスカイザーはそれを喰らうが、超近距離で最後の1発をコカローチヴィランに撃つ。
すると、コカローチヴィランはダメージを受け苦しみ出した。
「ん?様子がおかしい?」
不審に思ったエクスカイザーがコカローチヴィランに近づく。
「なっ……何だ!?急に力が……抜けて行く……」
それを見たジョーカーは……。
「やはりまだ完璧ではなかったようだね……」
そう言ってジョーカーは去って行く。
「待て!!」
エクスカイザーが追うが既に姿を消していた。
そして、コカローチヴィランの体が崩壊しだす。
「おっ、おい!大丈夫か?」
完全にコカローチヴィランの変身が解け本島の姿に戻ったが……。
「くっ……苦しい……た……たすけ……て……」
本島は息を引き取った。
「何だと……」
その後、直樹は美紀を救出し警察に通報。
更に本島の証言から下村友美さんの部屋にも捜査が入った。
案の定友美さんは遺体で発見され、更に捜索願いが出されていた義夫さんも含め4人もの人間を死に追いやった本島まで死亡すると言う何とも後味の悪い事件になってしまった。
その事も含め美紀が報告書を作成する。
「よし、出来ました」
「おう、ご苦労さん……にしても……今回は大変な事件だったな……」
「そうですね……私、もっともっと探偵として成長したいです!」
「そうだな……助手として俺も手助けして貰うか……」
「はい!」
今回の一件で直樹も美紀を助手として少し認めたようだ。
その頃、とある男がMの元に訪れていた。
この男は三井商事社長の三井 文夫(みつい ふみお)(52歳)。
「あなたがMですか……今回はウチの社員が迷惑を掛けました」
「いえいえ……黒沢会長にとって大事な取引のお相手だそうで……私も彼にお世話になっている以上協力は惜しみませんよ……」
「いやぁ、黒沢会長にはお世話になりっぱなしで……今度のプロジェクトの支援までして頂いていますのでね……」
2人が話す黒沢会長とは何者か?
続く……。
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