第3話「最悪の幕開け」
直樹はいつも通り朝、事務所にやって来て窓を開けたらテレビを点けコーヒーを淹れて飲む。
それが直樹の日課だった。
「さてと……今日は天気も良いし良い1日になりそうだ」
直樹はコーヒーを飲みながら言った。
しかしそれはあっと言う間に崩れた。
テレビからとんでもないニュースが流れて来たのだ。
前回の事件との関係が掴めず行方不明のままとなっていた長谷川 麻衣さんが遺体となって発見されたと言う内容だった。
「なっ……!?」
そこへ美紀がやって来た。
「おはようございます……ってあれ?どうしたんですか?」
そう尋ねながらも美紀はテレビの画面を見る。
「えっ!?……この人……」
「美紀……ああ、行方不明なままだった長谷川 麻衣さんだ……」
遺体が発見されたのは昨夜の22時頃。
東京湾近くの倉庫。
そこで作業していた男性が不審なビニール袋を発見。
見てみるとそこに女性の遺体が入っていたそうだ。
この事件が気になった直樹は早速警視庁に向かう。
「待って!私も行きます!!」
美紀の無理矢理付いてくる。
-警視庁-
直樹と美紀が三浦を待っていた。
「おう、待たせて悪かったな」
三浦と山本がやって来た。
「おい、探偵……何しに来た?」
また山本が突っかかって来る。
「うるせぇな……お前に用はねぇんだよ……」
直樹も喧嘩腰だ。
「まったく……お前達は会う度にそれだな……」
三浦も呆れていた。
「あの~この2人っていつもこうなんですか?」
「ん?ああ、どうしてか、コイツら馬が合わないと言うか……ほらほら、喧嘩してる場合じゃないだろ」
三浦が見かねて仲裁に入る。
「ああ、そうだ。長谷川 麻衣さんの事でちょっと……」
「おい、探偵!話は終わってねぇぞコラ!」
「ああ、そうだろうとは思ってたよ付いてこい」
三浦が直樹と美紀を案内する。
「ああ、あれ?無視?おーい……」
山本は置いてかれる。
三浦は直樹と美紀にこれまで出来た事件の捜査資料を見せてくれた。
「昨日の夜遺体が上がったばかりだからまだ十分とは言えないが……今わかってる物は纏めておいた」
「やっぱり容疑者は麻衣さんの恋人?」
「一応容疑者の候補だったからな。今朝任意同行して貰って取り調べをしているが、今の所関与は否認している」
そこへ遅れて山本が入ってくる。
「もう、置いてくなんて酷いですよ三浦さ~ん……あっ!コラ探偵!何勝手に見てんだ!!」
「いいんだよ!お前は少し黙っとけ」
直樹は資料に目を通す。
「どうだ?」
三浦が尋ねる。
「いや、流石にこれだけじゃ何にも……それより麻衣さんの自宅を見せて貰えませんか?」
「自宅?ああ……それは構わないが」
そして、直樹と美紀は三浦と山本と4人で長谷川 麻衣の自宅に向かう。
「ここが麻衣さんの……」
「ああ……」
「おい探偵、荒らすなよ!」
「んなことぁ、お前に言われなくてもわかってんだよ……」
直樹達は麻衣の自宅を調べるが事件に関係のありそうな物は何も見つからなかった。
その日の夕方。
直樹と美紀は事務所に帰って来た。
「あ~……疲れた……」
「結局何も出てこなかったな……」
「お腹空いた~」
美紀が空腹でぐったりしている。
「フッ……しゃあねぇな……ゲンさんの所でも行くか」
「行く行く!!」
そうして直樹と美紀は居酒屋 源へ。
-居酒屋 源-
ゲンさんは焼き鳥を焼いていた。
直樹はレモンチューハイ、美紀はハイボールを飲んでいた。
「はぁー!仕事の後の一杯は最高ですね!」
「お前今日大した仕事してねぇだろ」
美紀は上機嫌だった。
「へい、焼き鳥お待ち」
ゲンさんが焼き鳥の盛り合わせを出して来る。
「わぁ、美味しそう!」
美紀はテンションが上がっていた。
「流石親子だね、お父さんもそれ好物だったんだよ!」
ゲンさんは美紀を見ながら笑って言った。
「確かに、お父さん家でも良く焼き鳥食べてたなぁ」
そんな会話をしながら過ごしていると、テレビからニュースが流れて来た。
なんと今度は20代と思われる男性が何者かに惨殺され、ビニール袋に入れられた状態で発見されたと言う。
「え……?また?」
美紀はそのニュースを見て固まる。
「これは……ただ事じゃ無いぞ……」
直樹は酔いが回らない内に早めに会計を済ませ店を後にした。
「ちょっと待ちな直樹君」
ゲンさんが声を掛ける。
「え?」
「この前もお釣忘れて行っただろ……ほらよ」
ゲンさんはこの前のお釣りと合わせて直樹に渡した。
「ああ、サンキュー!」
「これから向かうんですか?」
「いや、今日は遅いし酒も飲んじまってるから、明日の朝から車で行くぞ」
「はい!」
直樹と、美紀は解散。
翌朝現場に行く事に。
-翌日-
直樹は朝から現場にやって来た。
既に警察の現場検証が行われた為、直樹は聞き込みをして情報を得る事に。
直樹と美紀が手分けをして近隣の人達に話を聞く。
だが、あまり有力な情報は得られなかった。
そこで直樹は三浦に連絡し、遺体の第一発見者に会わせて貰えないか頼んだ。
三浦は第一発見者に連絡をとってくれたが、これ以上思い出したくないと断られてしまった。
仕方なく直樹は警視庁へ行き、三浦に捜査資料を見せてもらう事に。
今回の被害者は飯島将生(いいじま まさき)さん(27歳)運送会社で働くトラックの運転手だ。
会社のある名古屋から仕事で東京に来て運搬していた荷物を倉庫に運び終え休憩していた所を何者かに襲われ殺害された様だ。
長谷川 麻衣さんが遺体で発見された場所も近い為、その近隣に犯人が潜伏してると思われ警察は捜査を行っている。
捜査資料の中には現場の写真もあった。
大量の血の付いたビニール袋…それは長谷川 麻衣さんの時も同じだった。
両被害者とも体を刃物でメッタ刺しにされ傷だらけの状態だった。
心臓も貫かれ恐らくこれが致命傷となった。
美紀は思わず目を背けた。
こんな悲惨な状態を見たら当然だ。
だが、直樹は……。
「目を背けるな……おやっさんならそう言うと思うぞ」
「え?」
「おやっさん良く言ってたんだ。殺人事件は被害者の無念を晴らす為に絶対に犯人を見つけなければならない、だからその為にはどんな悲惨な事件でも目を反らしちゃいけないってな」
「お父さんが?」
「ああ、俺たちも、総ちゃん……君のお父さんに良く協力して貰ってたからな。良く言っていたよ。あの頃見習いだった直樹君もそう言われてたな」
「きっと……痛かったはずだ……苦しかったはずだ……2人もの人間をこんな目に逢わせた犯人を絶対に、許しちゃいけないだからその為にも……目を反らしちゃいけないんだ……俺達は……」
警察は東京湾近くの倉庫地帯を中心にパトロールを強化していた。
その様子を物陰から見ている人物……。
「ヒッヒッヒッヒッ……さぁ、次は誰を殺してやろうかな?」
そしてまた夜が来た。
三浦と山本もパトロールに参加し、パトカーで巡回している。
直樹と美紀も車で周辺を警戒していた。
夜の街を1人で歩く女性。
おそらく近くの会社で働くOLだろう。
怪しい人物が女性を狙っている。
「今日はアイツだ……」
その人物は自身の体にキーを刺し怪人に変身。
それは不気味なピエロの姿の怪人ピエロヴィランだった。
ピエロヴィランが女性の前に現れる。
「きゃー!?」
夜の街に悲鳴が響き渡る。
「今のは?」
直樹がそれに気付き悲鳴が聞こえた方に向かう。
女性は必死に逃げながら警察に通報。
その通報を受け三浦達も向かう。
ピエロヴィランは逃げる女性にナイフを投げる。
ナイフは女性の足に当たり女性は転倒。
女性の足からは血が流れる。
ピエロヴィランはゆっくりと……じわじわと……女性に近付いて来る。
「や……やめて……来ないで……」
女性は恐怖に脅えている。
そこへ直樹の車が到着。
直樹と美紀が降りてくる。
「美紀!その人を頼む!」
「わかりました!!」
直樹がピエロヴィランの前に立ち塞がる。
「お前は……?」
「探偵さ……」
女性は美紀に連れられ避難する。
「さぁ、こっちに」
「ありがとうございます……」
直樹とピエロヴィランは睨み会う。
「ヒッハッハッハ!探偵……邪魔するならお前も殺すよ?」
「上等だ……その前にお前を倒す!」
直樹は『変身』。
エクスカイザー登場。
「真実を見抜く正義の眼!エクスカイザー参上!!」
ピエロヴィランはナイフで攻撃してくる。
エクスカイザーも『エクスソード』で対抗。
ピエロヴィランはナイフを投げて来る。
それを『エクスソード』で弾き落とし距離を詰める。
ピエロヴィランはジャンプし、エクスカイザーとの距離を取る。
「ヒッハッハッハ!なるほど、やるな!」
「この辺りで2人を惨殺したのもお前だな!何でそんな事を!?」
「ヒッハッハッハー!!楽しいからさ!!」
「何っ!?」
「僕はねぇ……人間が恐怖に脅えたり、痛がって苦しむ姿を見るのが大好きでねぇ……僕にとって殺人は最高の娯楽だよ!!」
ピエロヴィランは殺人の楽しんでいた。
「なんだと……そんな事の為に人を殺すのか!?お前腐ってるぜ!!」
ピエロヴィランのその発言にエクスカイザーの怒りが爆発。
エクスカイザーは一気に距離を詰めピエロヴィランに斬りかかる。
「ヒッハッハッハ!楽しい~!!」
「テメェー!!」
ピエロヴィランはエクスカイザーを背後から攻撃。
「ぐぁっ!?」
ピエロヴィランは巨大な鎌で攻撃していた。
「僕の武器がナイフだけなんて一言も言ってないよ?」
「くっ……テメェ……」
「ハッハッハッ……いかに人を苦しませて殺すか……それを追及する為には凶器もコレクションしないとね……」
ピエロヴィランがエクスカイザーに迫る。
「くっ……」
「喰らえ!!」
ピエロヴィランは巨大な鎌を大きく振りかぶってエクスカイザーを切り裂く。
「ぐぁぁぁぁぁ!?」
エクスカイザーは倒され変身が解除。
直樹がその場で倒れる。
(まずい……殺される……)
直樹も流石に死を覚悟した。
「安心していいよ、君と戦うのは面白いから……殺さないでおいてあげる……今はね……」
「なっ……何っ!?」
「僕はジョーカー。覚えておいてね……」
ピエロヴィランはジョーカーと名乗りその場を去って行った。
直樹は気を失う。
そこへパトカーが到着。
三浦と山本が降りてくる。
「直樹君!?大丈夫か!?」
「探偵……おい!探偵!!」
2人が直樹に駆け寄る。
「おい、しっかりしろ!!山本、救急車だ!」
「はい!」
直樹は救急車で病院に搬送された。
続く……。
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