片割ノ四

私は何故か…

夢の中で、彼女を剣で刺していた。

その剣は赤く染っている。

剣から彼女の温かさが伝わってくる。

それがとても熱いほどに。

大理石に落ちた彼女の一部が赤くこちらまで手を伸ばしてきた。

思わず一歩下がった。

それと同時に、彼女に刺さった剣は抜けて落ちた。

嗚呼、なんて綺麗なんだろう。

あれ?おかしいのかな私?

そうだ、私はおかしいんだ。

だから、彼女を殺してしまった。

そう思えば思うほど、口元が緩んでしまう。

彼女がこっちを見た。

何か言いたげに口を動かしている。

音の出ない楽器のよう。

何度か見たこの光景。

彼女が何度か死んだのだろうか。

何だか、眠たい。

気が付けば、彼女は立っていた?

胸が痛い…

そっと手を胸に当てる。

そこをなぞれば深い溝があった。

なんで?

そう思いながら、目を閉じた。

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