片割ノニ

ここはどこなんだろう。

真っ白い何もない世界。

光以外の何もない世界。

これは、私が求めたこと。

世界は真っ白で、何もない。

私の体も白く輝いている。

いや、きっと何かはあるのだろう。

ただ光が強すぎて、影も、色も、何も見えないだけ。

「こんなの、暗闇と変わらないじゃない」

これが、私の求めた世界?

いや違う、こんなのは求めてなんかいない。

ただ光だけが存在するんじゃない。

また同時に影もより美しくあるべきだ。

自分の影を求めて歩く。

何もない。

ずっと歩いた。

何もない。

自分に触れようとした。

自分があった。

何かを見つけた。

何かにぶつかった。

ここは・・・

神殿だ。

昔見たことがある。

ここにある。

それを探した。

求めて。

・・・

あった。

影が差し込んでいる。

私が求めた光。

影の私に手を伸ばすと、影の私も手を伸ばす。

そして、触れた。

私は、影の私を引っ張った。

私が求めていたもの。

鏡は砕け、闇と光が混ざり合う。

世界に闇が現れ、色を取り戻す。

そして私は疲れたのか、眠りに落ちた。

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