月ノニ

目が覚めると、目元が湿っている。

"私、泣いてたの?"

気が付かなかった。

元々なかったはずなのに。

悲しみなんて…

必要ない。

そう、生まれたのだから。

ふと、隣を見た。

不格好に直された鏡が忌々しく私を映す。

今度は、許さないと。

もう、二度と自分を見ないで良いようにと。

鏡を、叩き割った。

鏡は、割れてもなお。

私を、映し出す。

嗚呼、まただ。

また、何も成し遂げられてない。

でも、この世界には抗えない。

おやすみ。

この世界。

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