日ノ三
目が覚めて初めに気がついたのは、
鏡がバラバラに砕け散っていること。
少女は、せめてもと破片を素手で掻き集める。
最初少女は気が付かなかった。
それを拾い集めている時に、指を切ったこと。
血は地面を紅く染め上げ、
少女が歩く道をなぞった。
一つ一つの赤い雫は、とても脆い宝石のよう。
堕ちればその度に砕け散ってしまう。
最後に斑な模様を残し、染み込む。
その繰り返し。
少女が机の上に破片を置く。
そして、気が付く。
鏡の破片は、赤く染っていた。
赤く染った破片は、
机の上で不格好な蝶をかたどっている。
少女は丁寧に一つ一つを拭き取り、
倒した枠の中にはめ込んで行った。
そして、最後の"peace"をはめ込んだ。
その後すぐに、
少女は疲れたのか眠りについた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます