第5話 執事さんとの休憩中…
俺はあれから放課後に何日も通いつづけ執事さんとも結構仲良くなり、前に見せてもらった技もできるようになった。
彼、零さんはよく何処かに出かけていて中々帰ってくる事は無い。
「執事さん、一つ気になった事があるんですけど。」
「なんですか?」
「執事さんはどこで零さんの執事になったの?」
「…私はフランス出身なんですが、母親は俗に言う魔女だったんです。
あの頃は迫害などの影響で、魔女狩りが良く行われていました。母は私を逃すために囮となって捕まり、処刑されてしまったんです。
私は家もお金もなく彷徨っている時に零様に助けていただいた、と言う感じですね。」
「え、執事さんってフランス人なの?」
「ええ、日本へ来たのは256年前でそれまではサンジェルマンと言う名で貴族だった零様の使用人として宮廷で働いておりました。」
すげぇ、確かに日本人じゃ無いとは思ってたけどフランスの人だったんだ。
確かに目も青いし服とか片目だけにつけるメガネみたいな奴も結構古そうだったし。
それにサンジェルマンってなんか聞いたことあるけどなんだっけな?
「零さんって何歳ぐらいなんですか?前聞いても教えて貰えなかったんですよ。」
「うーん、本人もしっかりと把握してるわけじゃないらしいから正しいかは分かりませんが聞かせてもらった中で一番昔の話は2万年前くらいに今のロシア辺りでマンモスの親子と旅をしていたという話だったはずです。」
「2万年前!?バケモンじゃん!え、人ってそんな化け物生物だっけ?」
「人はその頃から居たはずですからあり得ない話では無いですよ。あの人は不老になる方法は知っているはずですが私はよく知らないんですよ。あ、そうだ。」
彼はゴソゴソとポッケから何かを取り出すと俺にそれを見せてきた。
「これは?」
「500年前ぐらいにフランスの商人が落としていったダイヤモンドです。私達はお金には困っていませんし今まで頑張ったご褒美でプレゼントしますよ。」
「いやいやいや!ダイヤなんて高いの貰えないですよ!」
「いいんです、貴方は彼に選ばれた人間。それだけで特別な存在なんですから。
邪悪な妖怪を祓う為に陰陽道を生み出した土御門の初代当主と零様は知り合いだったと聞きますし、なにかと貴方の事を気にかけているんですよ。」
俺にダイヤを握らせると彼は立ち上がり、部屋の奥に積まれていた大量の符を持ってきた。
「それなら代わりに今日までにこれ全部の技を使えるようになりますよ!」
「え、冗談ですよね?さっき1時間ぐらいやってこれの半分もできてなかったのに?」
「根性で頑張りましょう!」
「嫌だぁ!助けてぇ!」
その日まで後2週間
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