第3話 陰陽道とは2
俺達が紅茶を飲み終わり、丸まったボロボロの紙を見ると勾玉が2つくっ付いた様な見た目の図形が書かれた絵だった。
「なんかこの勾玉みたいな絵見たことあるかもしれないです。」
「ん?陰陽魚図知ってんのか?」
「たまにこう言うマークのは見かけたりするけどどう言う物かは分かんないです。」
「まぁ陰陽道を専門にしてるとかじゃなかったらそうそう知らねぇか。」
彼はその、いんようぎょず?って奴の勾玉の穴部分を指差した。
「この絵はこの世の全て、森羅万象を簡単に記号で表した物だ。この勾玉の穴みたいなのが陰と陽のそれぞれ互いの核でその周りに陰と陽の気がくっついてるイメージだな。」
「へー、じゃあ人もそれでできてるんですか?」
「いい質問じゃねえか。人の魂と身体ってのはこの図形みたいに綺麗な陰と陽の気がちょーどいい感じにくっついて出来てるんだよ。
だけど年を取ったり、肉体の方が弱ったらそれまで釣り合ってたはずの陰の気が強くなりすぎて陽の気が剥がれてコロリだ。」
彼は言葉と一緒に手でGがコロリとなる真似をするが絶妙にピクピク動くところが似てるからやめてほしい。
「というか、陰と陽のエネルギーとかサラッと言ってますけどどういう物なんですか?」
「んーまぁ簡単に言うなら精神エネルギー的な?
俺達自身は気づいてないだけで肉体は陽のエネルギーを生み出るし、精神とかは陰のエネルギーを生み出してるんだよ。
若い時は肉体が発達して精神は幼いから陽が多くて元気だし動きも活発なんだけど肉体が衰えると陰が増えて認知症?とかになったりするんだよ。」
「なるほど、それは凄い。」
「絶対分かって無いだろお前。」
こうやって解説してくれて分かってるふうにしてるけど精神エネルギーだったりマジで意味わかんねぇ。
「要するに生物が出す見えないエネルギーですよ。ちっちゃい子が元気なのは陽の気のお陰で、年をとって動けなくなるのは陰の気のせいって事です。」
「神社とかでお祓いとかあるけどあれは陰の気を落として片方ばかりが強くならないようにする儀式だったんだよ。」
「なるほど、やっとわかりました。え、分かんない。あ!そういう、あれ?俺たちは見えないエネルギーですよね?」
「アホか、一回落ち着け。」
やっと分かった。いやーやっぱ馬鹿だから全然分かんないし困るなぁ。
「ま、それでも印とか式神を使ってその見えないエネルギーを使えるようにするんだよ。」
「式神?なんかすげぇ!そんなんあるんだ!」
「なんかってなんだよ。普通に凄いだろ。」
彼は新たな模様の書かれたお札を取り出しそこに手をかざす。
すると模様が赤く光始め、共に共に巨大なオオカミが現れた。
「こいつはただのオオカミだったんだが、稀に動物から肉体を捨てて精神エネルギーの塊である神に昇華した奴だ。」
「要するにオオカミが体を捨てて精神だけの神様になった奴です。」
すげぇ、執事さんの要するにが死ぬほど分かりやすいな。
バカの俺でも1発で理解出来る。彼はオオカミを撫でながら召喚で使ったお札を見せてきた。
「陰と陽のエネルギーも個人差があってな、血液型みたいに色んな種類がある。俺はこいつとエネルギーの種類が同じだから出てきたんだが、お前は違う。」
「俺は全部違うって事ですか?魔術使えないの?」
「いや、逆だ。お前は全部使えるんだよ。お前の土御門の一族は天才の一族だからな。」
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