第2話 陰陽道とは
俺達はランタンの灯り一つで下へと降っていくが足音と水がポタポタと垂れる音が少し不気味だ。
「なぁ、お前は魔法とか、そういうオカルちっくな類は信じてるか?」
「魔法?魔法があったら頭を良くする魔法か、お金を出す魔法を使いますよ。」
「そうだな、そんなんだったら最高なんだけど、本当の魔法ってのはそんな自由のきくもんじゃねえよ。」
階段を降りきった先にあるドアを開けると、中央には大きなベットがありその周りを取り囲むような大量の巻物や目が痛くなりそうな程の輝きを放つ宝石達がたくさん置かれていた。
「な、なにここ。」
「俺の研究部屋だ。リーシャ!紅茶を3つ!」
「畏まりました。」
地下にこんなものがある時点でおかしいとは思っていたけどこれはマジで意味が分からん
すると何処からか執事のような服装で髪を後ろで縛った25歳ぐらいのイケメンが現れ紅茶を淹れ始めた。
その間彼は魔法について教えるからと俺をベットに座らせてきた。
「後聞いておくが、お前の土御門と言う名前はお前の母親の家系の名前だよな?」
「ええ、父さんは婿養子だったらしいですけど俺が生まれてすぐに交通事故で死んだんで会ったことはないです。」
「…そうか、悪い事を聞いたな。まぁ、お前が土御門って言う一族だって日本の魔術をやってる奴から知ったらもうビビり散らかすこと間違いなしだ。」
「そんな凄いんですか?そんな偉人とか聞いた事ありませんけど。」
すると彼は後ろから一枚の古びた巻物を取り出した。
「これは800年前に俺がどっかの寺からかっぱらってきたやつなんだが、ここに書いてある奴を読め。」
「800年前?もう、冗談キツイですよ。ねぇ執事さん。それにこんな文字をバカが読めるとお思いで?」
「はぁ、私はそこまで昔の事は分かりません。まだこの方に仕えてから600年程度しか経っておりませんもので…」
「年なんか魔術でどうにでもなるんだよ。
魔術ってのは陰と陽のエネルギーを混ぜ合わせる割合によって違うエネルギーを生み出すって物なんだよ。分かる?」
「陰と陽って陰陽師じゃないんですか?それに陰陽道って魔術じゃなくないですか?」
「めんどくせぇとかばっかついてくるガキだな。」
すると彼は呆れたように俺を見てチッチッチと指を振ってくる。ちょっとムカついたがここで逆らったらヤバそうな気がするのでやめておく。
「お前らがイメージする西洋の魔術とか、あんな物は紛い物だし、そういう固定概念は捨てろ。安倍晴明が作った空気中の陰陽の割合を変化させる方法の陰陽道が一番魔術として完成されてるんだよ。例えば、」
彼は何やら手で印?を結び天井にあった的を指差した。するとピュッと言う音と共に的は弾け飛んだ。
「すげぇ!これが魔法!」
「あぁ、これは陰と陽を擦り合わせて風を生み出す術だ。これで信じたか?じゃあ次は後で、おーい!」
「お持ちいたしました。どうぞ。」
渡された紅茶とチョコはめっちゃ美味かった。
「すご!これめっちゃ美味しいですね!」
『素晴らしい!これは実に美味じゃ!其方もそうおもうじゃろ?なぁ——。」
あぁ、本当に…
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