第4話
「……落とせちゃったね」
「まあ、元蜀漢の城だったのですし。儂は、土地勘もありますので」
「廖化君。君優秀だね~。グレートよ~。ブラボー。君はこれから鎮東将軍ね。上庸太守お願いね~」
「ありがたき、お言葉」
俺は北からの魏軍の備えとして、姜維に軍を預けた。
魏延には、漢中太守を任せる。父の劉備時代の地位に戻したので、魏延の機嫌もいい。
楊儀には……、綿竹関を任せた。蜀の重要拠点であり、中央から遠ざける処分だ。だけど、高い地位にあるので、不満は言っていないらしい。
馬岱は、元の平北将軍に任命するが、俺の護衛としてついて来て貰った。彼は、蜀漢の中でも優秀だ。
それと、王平と張翼を加えた四人で、上庸を落としたのだ。
「陛下、お見事です!」
「いやいや、働いたのは君たちだからね。でも、魏軍も取り返しに来るだろうから、防衛をお願いね」
「「「「はっ!」」」」
ふう~。少ない人材で、性格に難のある人材配置……。楽しいけど、疲れるな~。
◇
一ヵ月経っても、魏軍は攻めて来なかった。
その間に、上庸の地は、難攻不落と言えるほど、防備を固めた。四人の将軍を配置すれば、落とされることもないと思う。
この上庸は、長安も洛陽も狙える土地だ。もっと言うなら、襄陽もだな。交通の要衝と言っていい。
「朕は、一度成都に帰るけど、防衛よろしくね~」
「「「「はっ!」」」」
うん、信頼できる部下だと安心だな~。三国志からすると、小物だけど蜀漢の未来は彼等にかかっている。
成都に帰って来た。
さて、次は内政に手を加えないとな~。正史の劉禅は、政治に関与しなかった。それで、諸葛亮の負担が増えていた。
董允・蔣琬・費禕しかいないけど、何とかなるかな~。
人材登用……、今の時代に在野に誰かいたっけ? まあ、後にしよう。
「陛下! 撤退戦からの上庸攻略お見事でした」
そういえば、もう秋だな~。一年間走り回った。脂肪も消費されて、今や俺も細マッチョだ。
そして、収穫の時期か~。
「……ちょっと戦争のし過ぎだよね。民衆の不満も高まっていそうだね~。今年の税は、去年の半分にしてね~」
「「「えええ?」」」
国として苦しくなるけど、戦争をしなければ、一年くらいであれば持つはずだ。
外敵よりも、内乱の方が怖い。
それと、蜀漢の癌を今の内に排除しておくか。
まず、宦官の黄皓は、罷免した。まだ、下級役人だったけど、成都から追い出したのだ。
それと、費禕を殺害する郭循だな。まだ見ないけど、魏から郭家の帰順を認めない宣旨を出した。理由は、郭淮が密偵を放っているからとしたら、皆困惑してたな。うん、意味不明だよね。
でもね、これが蜀漢の未来を分けるのよ。
これで数年は、大丈夫だろう。
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