じつは実話です。その5  騒がしいお盆

何年間かお盆か騒がしい時期があった。


夜中の3時に電話が鳴る。起きてリビングに行くと鳴りやむ。

そんなお盆が3年間続いた翌年、夜中の3時に寝室の火災報知器が突然作動した。

「ジリジリジリジリジリ」と真夜中の寝室に警報音が鳴り響き、飛び起きた。

もちろん火事でも何でもない。火の気もない。

とりあえず家じゅう見て回ると、冷蔵庫のイオン発生機能が勝手に作動し、キッチンに青い光を放っていたが…、もちろんこれは火災報知器とは全く関係がない。


その翌年のお盆は、自宅ではなく実家にいた。自分の子や妹の子らと、実家のもともと子ども部屋として使っていた部屋で雑魚寝をしていたところ、夜中の2時45分に突然ぱっちりと目を覚ましてしまった。

間接照明をつけていたのだが、それにしてもやけに周りが明るい。満月に照らされた街のようにものの輪郭がくっきりはっきりと見える。だから、時間もはっきりとわかったのだ。

しばらくあたりを見回していると、突然オルゴールが鳴り出した。


〝イッツ・ア・スモールワールド”


ネズミのしっぽを引っ張ると鳴る仕組みになっているオルゴールである。

真夜中のやけに明るい寝室で鳴り響く〝イッツ・ア・スモールワールド”

曲も部屋も明るく、全く怖くはないが、大勢で雑魚寝をいている状況で、誰か起きてもよさそうなものなのに、誰一人として起きないというところが不可解である。

だからと言って隣でぐっすり眠っている子どもをわざわざ起こすのも気が引けるし、面倒なことになりそうだ。


しばらくするとオルゴールは鳴りやんだ。


それ以降お盆は静けさを取り戻したが、あの騒がしさは何だったのだろうか?

ご先祖様は、何か伝えたいことがあったけど、あまりにも鈍い私にしびれを切らしたのかもしれない。

確かに、その後修羅場続きで、人生ハードモード。誠に苦労しております。

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