第六章 第38話 星祭り 最終日 ―9―
やっちまった……。
でも、後悔はしていない。
◇
カーン……カーン……
鐘が鳴り始めた。
気のせいか……いや、違うな。
あれほど
すると――――
「おお……」
地上のそこかしこで
一体どれほどの数なんだろうか。
百や二百どころじゃない。
千、いや万単位の光の粒たちが、ぐんぐんと高度を増していく。
そして、そんな光景がこの広場だけじゃなく、ザハドの町全体で繰り広げられているのだ。
「星だ……」
これは
今や星たちは浮上を
その
炎は列をなし、ゆっくりと動き出した。
聞こえるのは、
――
いや、そんな
これは
……どうしてそんな暗いイメージが浮かんだのか。
鐘が鳴る前の
それとも今この瞬間、この景色を一緒に
――
もしかして、ずっとあのままだったのだろうか。
そして……しきりに彼女に話しかけている
男が俺の姿に気付いた。
「
男の顔が炎に染まる。
鬼のような
壬生先生が
上段か。
内受けかな。
受けながら同時に
――などと考える余裕すらあったが、俺は
真っ白い光が
俺は思わず
その俺に、壬生先生が馬乗りになる。
マウントポジションってやつだ。
静かだった周囲に悲鳴が上がる。
「貴様、彼女に何をした!?」
奴が俺の
これは……殺意か。
――殺意に
俺の人生。
そんなものを向けられるようなもんだったか?
俺が、彼女に、何をした……だって?
いや……何もしてない。
このおかしな
「貴様、何が
左手で
今度は左のこめかみにヒットする。
「やめて! 壬生さん、やめてください!!」
山吹先生の
「心配しないで、山吹さん。あなたを泣かすような男は、私が
成敗って……。
俺は魔物か何かか?
あ、あれは
「そんなこと頼んでません! 私が悪いんです! やめてください!」
「
「やめて!!」
一発。
二発。
三発。
衝撃が俺の頭を揺らすが、不思議なことにあんまり痛みを感じない。
きっとアドレナリンさんがばんばん出てるんだろうな。
俺は彼女を、自分に
それよりも、あれだ。
きっと
せっかくの楽しい祭りに、水を差すのは各方面に申し訳ない。
それに、何か悩んでる校長先生に、これ以上心労の
どんっ。
山吹先生が壬生先生に体当たりをかました。
奴の
あっ……これ、は――――――
◇
――こうして俺は、人生二度目の
もちろん、この
◇◇◇
酔っ払い同士の
ただ、本件については関係者が領主の
結局は、少しばかり特別な
暴行を加えた
この二人については、
要するに、単なる
暴行を加えられた
彼は代官屋敷に運ばれ、急行した医師の診察と
エレディールにおける
一つ目が「
国内で医療が最も発達しているミザレス
二つ目が「
今回八乙女が受けたのは、医師による
彼は意識そのものは数時間で取り戻したが、頭部や顔面の
その期間、約
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