それだけ

@neko1014

第1話

あっち、行こう。


太宰府の縁切り橋の手前。

あなたは、普通に言ったんだ。


縁切れるからね。


あなたは、言ったんだよ。

あたしは、嬉しかったんだよ。


縁切れたらイヤなんだぁ。


毎年、走りに行ってたんだけどね。


今年は、あたし優先?

そうなの?

勘違いしちゃうよ?

勘違い、していいの?


勘違いじゃないって、

はっきり、

言って欲しかったんだ。


バレンタインのマフラー

暖かいって言ったやん。


ホワイトデー何にもなかったから、

やっぱ違うやん。

もう、いいやって、

思おうとするのに、

なんで、助手席のドア、


開けるかな。


いい、電車で帰るって言うあたしに、


寂しいやん。


とか、言うかな。


結局、

あたしが怖かったんだ。

はっきりさせるの。


ともだち。


って言われるの、

怖かったんだ。


結局、

縁、

なかったんだなって。


拒絶したわけじゃないんだけど、

追うの諦めたら、

見えなくなった。


追ってくれなかった。


それだけ。

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