四合目 飲み会サークルを作ろう 5
「さぁ、今からどうします? ご飯は食べてきましたから、お風呂にします? それともワ・タ・シ?」
家に到着しても、当然のようにササは巧の部屋についていき、先に玄関へ入るなり、しなを作りながら聞いてくる。
「冗談はいいから」
「もう、つれないですね」
「で、俺は風呂に入るけど、ササはどうする?」
「え、一緒にですか? お風呂も私もなんて両方いっぺんにとは思いませんでしたけど。キャッ、巧さんのエッチ~!」
「バッ! そんなんじゃねぇよ。お前はどうするんだって聞いてるんだよ」
いつもの冗談口調に反応しまいと思っても、相手の方が一枚上手。
「もちろん女の子ですからお風呂には入りたいです」
ササもその反応を楽しむだけで、きちんと質問には答えた。
「じゃ、お前から先に入れ。俺はそのあと入って、ゆっくりするから」
自分の言葉にしまったと思う。当然、相手はこちらを見てニヤッとした。
「私のあとに入って、お風呂でゆっくりなにを楽しむんですか~?」
「そーいうのはいいから。っていうか、言った後にそういう反応が来ると思ったわ」
「えへっ、来ちゃった」
「いや、来るなよ。ツッコむだけで疲れるわ」
「だから、お風呂入るんですね。やっぱり、一緒に入ります?」
「そういうのいいから。で、タオルとかは洗面所にあるから勝手に取っとけ。あと、服は、そのままでいいんだっけか?」
巧としてははやく一息つきたいところであるが、今日のササはノリノリだった。
「そうですね。けれど、巧さんが準備してくれるなら、それを着ますよ。スケスケなネグリジェでも、バニーガールでも、高校生の服でも、アニメキャラのコスプレでも、巧さんの秘蔵コレクションの中からこれだというものを選んでください」
「そんなのねーよ」
「ないんですか?」
「……ないさ」
「今、持ってないことを残念って思ったでしょ!」
「思ってない、思ってない」
「ほんとうにそうですかぁ?」
「さっさと入って来い!」
彼女は「はーい」と言って、にこにこを崩さずに浴室へと向かった。
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