一合目 日本酒との出会い 2
「ありえない、ありえません!」
夢の中にしては相手の声がはっきりと聞こえる。
「どうして? どうして、こんな世の中になってしまったんですか!」
姿は見えないが、声色からして、なにかに怒っているようだ。
「あなたもあなたです。勝手な推測で私たちのことを判断しないでください」
真っ暗やみの中で、声の主ははっきりと自分に敵意を向けてきた。
「せっかくの、記念すべき誕生日を祝いにきた私は非常に不愉快です」
声は一通り文句を言った後、たっぷりと時間を置いて、「許さない、絶対に許しません」と怨念めいた言葉を発する。
「覚悟していてくださいね!」
はっきりとした、その言葉は巧の脳を鷲づかみにした。
その瞬間、巧の意識は覚醒する。このまま眠っていては危ない。本能が告げていた。
その予感は的中する。まさか、目を開けると、いきなり生命の危機に瀕しているとは夢にも思っていなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます