第11話 招き
私は校舎に入ってきたのを確認すると、部屋の扉の前に立った。右側が職員室になっていて、その奥に昇降口があるから、こっちを向けばすぐに来るだろう。
そう思って待つとすぐに、あいつが見えてきた。何かを喋った気もするけど、遠くて聞こえなかった。すぐにあいつが動いたが、職員室があるからなのか、走らないできた。
「やぁ。待ってたよ」
「何が待ってただ。もっと早くに会いに来いよ」
私が手に届く範囲になった瞬間、私の胸ぐらを掴んで、静かに怒った。
「まぁまぁ。そんなにカッカしても良いことないし、カップルじゃないんだから、もっと距離をおいてほしいし、会いに行かないよ」
「悪魔とカップルなんてゴメンだ」
そんなにもカップルが嫌なのかというほど強い力で私を押して離れた。
「私からも願い下げだから、全然いいけどね。それよりも部屋に来てくれない?ここだったら色々と面倒なんだよ」
「そんなん知らねぇよ。それより要件を言えよ。その後に殴ってやるから」
「それは止めときなよ。仮にも私は生徒で、ここは職員室の近く。先生だって来てくれるよ?」
「っち、早く連れてけよ」
「素直でいいね~」
そっと、私の部屋を開けた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます