第9話 準備

「これでいいか」

 私は太陽が出てきて少し、あいつの下駄箱に手紙を入れにきた。

 ラブレターを送る時のベタな行動として下駄箱に入れると聞いたことがある。私はそれを利用してあいつを私の部屋に誘き寄せる作戦だ。別にこれといって大変な事でもないから、読むきっかけになりそうなこれにした。まぁ私が会った方が早いんだろうけど、私は生憎あまり見られてはならない存在だから、あいつから来てもらった方がいいだろう。

「まっ、どうせ来るのは夕方だから寝ようかな」


「う~ん!はぁ…。今何時だ?」

 私がスマホに手を伸ばし、時間を見ると五時前だった。呼び出した時間は五時半。もうちょっと時間はあるけど、準備しようか。

「あっ、起きました?」

 私が寝ている頭の先にこいつはいた。

「あぁ居たのかい?すまないけど帰ってもらえる?なんだか眠くて仕方ないんだ」

「大丈夫ですか?昨日も倒れてたし、自分を追い込みすぎなんじゃないですか?」

「大丈夫だよ。規則正しい生活なんてないせいで、起きる時間と寝る時間が二十四時間で収まらないってだけの話さ。それに僕はまだ寝るから、何もやることないよ」

「やることが無くても別に僕はいいんですけど。でもまぁ僕が居たら安心して寝れないですよね。じゃあ僕は帰ります」

「あぁ、無駄な時間を過ごさない為にも帰った方が良いよ」

 近くにある荷物を持つと、

「お休みです」

と言って帰っていった。

「………それじゃ、準備しますか」

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