第4話 手紙
「ちゃんとルール守ってくれた?って、居ないの?」
私は部屋に入って彼がいないことに気がついた。もしかしたら他にも入るところを見られて、他生徒に連れていかれたのだろうか?と、最悪のシチュエーションが思い浮かぶ。これはどうにかしないとなと、覚悟を決めて部屋を出ようと回転した時にきずいた。テーブルの上に置いた記憶のない紙があった。それは彼の置き手紙であった。そこには「門限の時間が近いので帰ります。」と、書かれていた。それを見た私はほっとして椅子に座った。
いや、私は過保護な保護者か!まずいな。禁断症状が出てきている。なんでだ?あれのせいなのか…?今日は寝れなそうだな。って、手紙見てないや。早く見よう。
私はポケットから手紙を取り出して読み始めた。
それは二、三週間に一度来るお姉ちゃんからの手紙で、離れ離れになってから、ほぼ毎週来る。
「え~と、何々。仕事に着けた?そっかー、ちゃんと社会に出れたんだね。」
うんうんと、頷きながら手紙を読み直す。
お姉ちゃんがちゃんと社会に出れて嬉しいな。私ももうそろそろ稼がないといけないんだろうけど………、これで稼ぎたいんだよねー。
目線の先には、押し入れに詰め込まれている作品だ。どれもこれも使えれば楽になるような作品ばかりなのだが、法律的にアウトだったり、危険や複雑で、他人に使わせたくない作品ばかりだ。それに販売経路がみつかるはずもない。結局はただの作品ってことか。
「っと、今回の頼まれていることはーと。『壁や床を壊す液体』?頑張りますよっと。」
たまにだけど、こうやって頼まれる事もあるので、寝れずに実験をして、完成したら手紙を送るか、実物を送ることもある。何に?と思うこともあるが、実用性があるのだろう。
「よし!とりかかりますか。」
棚から道具や素材を取り出し始めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます