第9話 「おばあちゃんは、北海道」JKたちが、先生に怒られて、ミカンをしまう日々。これって、意外に、平和だっていうことなのかもしれない。

 「セナのおばあちゃんは、北海道」

 …どうです?

 わかりました?

 「その言い方の、何が、おかしいかっていうとさ?」

 「うん」

 「だって、セナ?」

 「え?」

 「おばあちゃんは、北海道ですって…。まるで、あんたのおばあちゃんが、人間から北海道に成長したみたいな言い方なんだもん」

 「ああ、なるほど」

 「え、どゆ意味?」

 「気付け、ハヤナ!」

 「でさ、ユズハ?」

 「何?」

 「時を、戻します」

 「うわ。やばい、言い方だ」

 「北海道は、でっかいどう」

 「…で?」

 「東京のニュースで、積雪 3センチが、ニュースになってさ」

 「うん」

 「セナのおばあちゃんの家では、正直、どんな感じになったんだっけ?」

 「爆笑」

 「やっぱりな」

 「ユズハは、厳しいなあ」

 「私、エレガントだもん」

 「東京で、積雪 3センチが、ニュース。北国の人たち、超、震えていたみたい」

 「まじ、勝たんわ」

 「無理」

 「果てしなく、無理」

 「ネバー・エンディング・ストーリー」

 「モモ」

 「モモ?ミカンは、やめたんだ」

 「モモ、じゃないよ。モモ!イントネーション、違うから。知らんけど」

 「いや。知ってるから、言ったんでしょ」

 「最近、うちら、ディスられ気味だよね」

 「東京は、怖いからねえ」

 「新宿で、ハイヒールはいて、積雪 3センチの道を駆け巡る。それで、私、すべって困るんですうって、マイクに向かって答えていた人…。あれ、何?」

 「雪が降ってるって、わかっているわけでしょ?そんなに困るのなら、ハイヒールはいて外に出るなって、言いたいよ」

 「あ、そうだ!」

 「どした、チカ!」

 「良い方法があるよ!」

 「…え?」

 「何だ?」

 「もっと、ミカンを、食べよう!」

 「結局、そこか!」

 「和歌山の海で、とれたんだ」

 「ウソ、つけ」

 「すみません。山です」

 「…あ!」

 「何、何?」





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