第8話 「穴と、雪の女王」「知らない人の前で、僕のお父さん、お母さんとか、お兄ちゃん、お姉ちゃんみたいに言う男子って(←世代間ギャップ)」

 「でも、さ」

 「なんざんしょ?」

 「なんざん!」

 「なんざん!」

 「あんた…出産していたのか?」

 「バカ、言わないでください」

 「で、この前の言い方に戻るけど」

 「何?」

 「お兄ちゃんより、兄とか、兄貴って言ったほうが、良いらしいよ?社会では」

 「社会では?」

 「じゃあ、ここは?」

 「ココアと、10回言ってください」

 「スルー、かよ」

 「そうだ、スルーだ!」

 「え?」

 「ドライブスルーって、あるでしょ?」

 「ファーストフード系の?」

 「うん」

 「で?」

 「ドライブスルーって、車じゃなくて、牛や馬に乗りながらでも、買い物できるらしいよ?」

 「何で?」

 「道路交通法っていう法律で、牛や馬は、自動車と同じ仲間だかららしい」

 「へえ」

 「知らなかったでしょ?」

 「牛や馬に乗って、ドライブスルー?」

 「うん」

 「私、恥ずかしいなあ」

 「良いじゃん。牛に乗りながら、ドライブスルーでバーガー買ってるJKって、インスタ映えするんじゃないの?」

 「するかなあ?」

 「はい、論破!」

 「それ、使い方、間違ってるっぽい」

 「う…。話題、変えます」

 「で、何?」

 「知らない人の前で、僕のお父さん、お母さんとか、お兄ちゃん、お姉ちゃんみたいな話し方をする男子って、どう思う?」

 「うわ。マジで、本格的に、勉強会だ!」

 「僕のお兄ちゃんはあ、お姉ちゃんはあ…って、これから、シューショクっていうのをする大学生っていう人たちまでが、言うわけだ」

 「みたいだね」

 「残念ながら」

 「幼稚な感じじゃ、ないかな?」

 「ああ、そっか」

 「そういう言い方をする男子と結婚するのって、複雑ですなあ。知らんけど」

 「使い方、上手い!」

 「いや、そこは、知らないと困るでしょ」

 「それで、さ」

 「何、ナオ?」

 「雪!」

 「それ。さっき、言った」

 「雪穴に落ちる、女子アナ」

 「雪穴、女子アナ」

 「…あ。ちょっと、面白い」

 「やった」

 「穴と、雪の女王」

 「それ、ちょっと、違う」

 「でさ」

 「何、チカ?」

 「セナの、おばあちゃんってさあ…」

 「…セナの祖母?」

 「いや。ミナカ?そこは、おばあちゃんっていう言い方で、良いんだよ」

  皆の視線が、 1人のJKに、集まって…。

 「セナのおばあちゃん、北海道だよね?」

 「お!その言い方、面白い」

  さて!何が、面白いと感じられたのでしょう?

  わかりますよね?




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