第7話 「冬休みの研究とかにだまされて、お兄ちゃんに、雪穴に落とされた」「とか」「とか」「ぼかした言い方」 「ぼかして…」 「あら、いやらしい」

 また、JKたちが、強くなってきたっぽい。

 「はい。新しい、話し方講座」

 「今どきのJKは、頭が良いからね」

 「今どき?」

 「そう、そう。今どきの人って、さ」

 「うん」

 「たとえば、好きな食べ物を、聞かれたとするでしょ?」

 「うん」

 「すると…」

 「うん」

 「好きな食べ物ですか?…あー、でもー。私って意外と、ラーメンとかが、好きなんですよーって、答える人」

 「いる」

 「いる、いる」

 「誰から目線の、言い方なわけ?」

 「自分自身のことを言うのに、第三者目線で、説明しようとしている」

 「はっきりとは、自分自身のことを、言えないんだ」

 「何でかな?」

 「やんわりとオブラートに包んで、相手とぶつかるのを、防ぎたいからでしょ」

 「じゃあ」

 「何?」

 「関西以外のうちらも、知らず知らず、無責任になりたがっているってこと?」

 「たぶん」

 「日本人は、責任逃れ人なのかな?」

 「あー、でもーの、でもって、どの部分を受けての、でも、なんだろうね?」

 「はい、ミカンあげる」

 「あんた、いくつ、もってんの?」

 「ネット銀行かよ」

 「で、ラーメンとか好きっていう人は、自分自身の心の中に、独自の世界観をもっているわけだ」

 「意外にラーメン好きって、何?」

 「…意外に、か」

 「そういう言い方をする人って、私は、ラーメンとか食べないような女性に見えるでしょうって、言いたがっているんだよ」

 「何?逆アピール?」

 「自己欺瞞だ」

 「お、ユズハ!」

 「…しかも!」

 「今度は、チカ!」

 「ラーメンとかの、とかっていう言い方、怪しすぎる。ラーメンを食べないんじゃなくって、ラーメンとかを、食べないんだね」

 「とかの、魔力」

 「それ、さっき、言った」

 「パンダ」

 「違います」

 「ぼかしてる」

 「ぼかして…」

 「あら、いやらしい」

 「やめろ」

 「その言い方が好きな女子って、自己陶酔型なのかな?」

 「ナルシスト?」

 「ラーメンの上に、乗っている…」

 「それは、ナルト」

 「忍者マンガ」

 「ちょっと、違う」

 「そうだ。ラーメンと言えば、メンマ」

 「メンマ1/ 2」

 「男の子と女の子が、ぐーるぐる」

 「違う。で、もともと、何の話だっけ?」

 「雪」

 「雪、かあ…。私、冬休みの研究とかにだまされて、お兄ちゃんのいたずらで、雪穴に落とされたことがある」

 「とか」

 「とか」

 「その、とかは、やばいなあ」

 



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