第15話_太陽都市
僕は昨日セーブした地点に立っていた。
町は相変わらずにぎわっている。
さて、今日は近くの都市まで歩いて行ってみよう。
ワールドマップを開いてると、現在いる町の北に結構大きな都市があることがわかる。
ソルシティへの道程は草原を横切り、川を一つ渡った先のようだ。距離にして600mぐらい。
この程度であれば初心者でも余裕だろう。
その考えが甘かったことを僕はすぐに思い知ることになった。
まずは地形についての理解が甘かった。
確かにマップ上は草原なのだが、実際はそれなりに起伏があり、よじ登らなければならない場面や、急な坂道もある。これがフルダイブで操作するには絶妙に難しい。よじ登ろうにも地面を上手くつかめないし、足も虚空を蹴るだけで、上手くグリップできない。
下り坂も踏ん張ったり姿勢制御が難しく、何度も転げ落ちることになった。
痛覚は無いし、ダメージもないのだが非常にストレスだ。
さっき、掲示板で山岳ワールドだった人の書き込み読んどけばよかった……
なるほど。これはある種のアクションゲームであり、この程度の道を歩けなければフルダイブで歩き回ることなど夢のまた夢という事のようだ。
そして、ここはファンタジー世界。もちろん野生のモンスターもいる。
「おお!いかにもスライムなスライムだ!」
流石に某ドラゴンでクエストな作品とはデザインは違うが、しっかりスライムも実装されていた。
初戦がワイバーンだったせいか、本当に弱そうに見える。
じゃあ、せっかくだし剣の杖の試し撃ちでもするかー
ダイヤルを操作して風、直進を選ぶ。
風系下級魔法
風を圧縮し撃ちだす。細い樹木程度なら切断可能。
鞘を右手で持ち左手でグリップをつかむ。
剣術や剣道を習ったことはないが、いわゆる抜刀術の構えのようなポーズだ。
あとは対象を良く狙い、剣身を抜く!
その動作に連動して強風が巻き起こり、風の刃となってあらぬ方向に飛んで行った!
あれー?
次の瞬間、スライムの体当たりを食らい、僕は文字通り吹っ飛んだ。
「ぐえ、し、しぬ……」
何とか即死は免れたが、そういえば僕の防御力、10しかないんだった。
その後は遠距離から現状での最大火力である
結局、ソルシティに到着したのは2時間後だった。
「はあ、はあ、すげー疲れた………」
フルダイブのはずなのに息が上がる。
ソルシティの門をくぐると、そこは活気にあふれた大都市だった。かなり遠くの方まで大通りが続いていて、両脇には様々な店が並んでいる。
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