2章_冒険の始まり

第13話_寝坊しました

翌朝、目を覚ますと14時20分だった。


「遅刻だ!!!!!!!!!!!!!!!!!」


急いでPCのスリープを解除する。

今日は14時からWEBミーティングの日だった。目覚ましは13時から5分刻みでセットしてあったのだが、爆音でアラームが鳴り響く中眠り続けていたようだ。

急いでリンクを開いてミーティングに参加する。


「あ、すみません、今来ました」


「もっちー遅いぞー」

すぐにしゅーぞーが反応する。


「すいやせん。クライアントとの会議が長引いちゃって」


「ほんとうかぁ?どうせゲームしてたんだろ?」


「本当っすよー。でも遅れてすみませんでした」


「そうかそうか、まあ頑張ってるなら許す」

少し心が痛んだ。


「いま話してたのは先週からテストしている新システムの状況についてだ。それで……」


ミーティングの資料を開いて内容を確認していると個人用チャットアプリでメッセージが飛んできた。

 

【ハナビ】

『昨日の夜、エクストラ・アース/ゼロやってたでしょ?』

【もっちー】

『はて、なんのことやら……』

【ハナビ】

『フレンドはプレイ履歴見れるの知らないの?』


そうだった……忘れてた。


【もっちー】

『そうだとして、何か問題でも?』

【ハナビ】

『深夜4時までゲーム、寝落ち、そのまま寝坊、起きたら14時すぎ、慌ててログイン』

【もっちー】

『え、何?監視カメラでもついてんの?なんで?』

【ハナビ】

『名探偵と呼びたまえ』


全部バレていた。今度から名探偵と呼ぼう。

ちなみに、ハナビは僕の同僚で、よくゲームをする友達でもある。


【ハナビ】

『ちなみに、私も買ったよ>EX・アース』

【もっちー】

『(喜びの舞)スタンプを貼り付けました』

【ハナビ】

『私は寝坊しなかったけどね』

【もっちー】

『すべては今日が火曜日なのが悪い』

【ハナビ】

『一理ある』

【もっちー】

『今夜やる?』

【ハナビ】

『ごめん、今日はパス』

【もっちー】

『(悲しみ)スタンプを貼り付けました』

【ハナビ】

『実は私徹夜してるんよね。あれ面白すぎて。今日は流石に寝る。今白目向きながら議事録取ってる』


よくそんな状態で僕とチャットできるな。尊敬するわ。


【もっちー】

『がんばれ』


後に送られてきたハナビ作の議事録は誤字脱字のオンパレードだったので、僕が直したものをしゅーぞーに送っておいたのだった。


その後はまじめにタスクをこなしていたら、いつの間にか21時過ぎだった。


「今日は終わり!」


早速デスク脇の冷蔵庫から瓶のスプライトを取り出す。

これを飲みながらネットサーフィンするのが僕の日課だ。

シュコッっといい音をさせてフタが外れる。

よく冷えたスプライトは真冬でも最高だ。


「ういー」


四分の一ほど飲み干して一息つく。

さて、今日は少し情報収集してからEXアースにダイブするかな。


僕はなじみの掲示板サイトを開いた。

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