第11話_新たなクエスト
しばらく時間をかけて色々試したのち、僕は杖を3本選んだ。
【剣の杖】
[レアリティ:★2]
[金属製で細身の剣のような見た目だが、これも立派な杖]
[MP:+100]
[ATK:+300]
[INT:+100]
[特性:①②]
[①抜刀術:鞘から抜刀する動作で魔法を発動できる]
[②精霊の加護(風):風属性の威力がわずかに上昇する]
【賢者の杖(レプリカ)】
[レアリティ:★3]
[伝説の大賢者が使用した杖……を初心者向けにアレンジしたもの]
[MP:+500]
[INT:+500]
[特性①②]
[①オートバリア:魔法発動中に術者単体を保護する障壁を展開する(3秒)]
[③無尽蔵(ランクE):大気中の魔力を吸収し杖内部に充填する(10秒に1回復)]
【記憶の杖】
[レアリティ:★4]
[物忘れの激しい魔導士に依頼されて作成したが、依頼人がそのことを]
[忘れてしまったため売りに出された杖]
[MP:+200]
[INT:+200]
[特性①②③]
[①EXメモリー:魔法1種類を杖に記録し、任意タイミングで発動できる]
[②EXメモリー:魔法1種類を杖に記録し、任意タイミングで発動できる]
[③EXメモリー:魔法1種類を杖に記録し、任意タイミングで発動できる]
剣の杖は存在が矛盾するというか、物理攻撃の方が強いという謎の杖なのだが、とにかくデザインがかっこよすぎる。
しかも抜刀モーションで魔法発動というのが熱い。ロマンを感じる。
ただし実用性は不明。
賢者の杖(レプリカ)はもっともオーソドックスな魔法の杖って感じだ。アップするステータスも悪くない。[無尽蔵]のスキルは恐らく結構レアスキルだが、レプリカなのが原因か性能は良くない。まあ、無いよりかは全然いいだろう。
記憶の杖はフレーバーテキストがシュールだが、スキルが滅茶苦茶優秀だ。
3発分の魔法を登録できるのはこの杖ぐらいだった。
ただしステータスアップはしょぼい。
店主に3本の杖を差し出した。さて、いくらかな?
「ほう、お目が高い。いずれも自信作じゃ」
[剣の杖:金貨2枚]
[賢者の杖(レプリカ):金貨5枚]
[記憶の杖:金貨30枚]
「え……高くね……?」
所持金は金貨5枚のみなので、全部買おうとすると金貨32枚の不足。
記憶の杖は高いかなとは思っていたが……
[剣の杖を購入する(金貨-2枚)]
[賢者の杖(レプリカ)を購入する(金貨-5枚)]
[値下げ交渉をする]
[購入しない]
ポップアップが表示されている。
うーん、値下げできるのか?
駄目元でやってみるか?
僕は値下げ交渉を選択した。
「ふむ、なるほどのう」
店主は考え込むようなしぐさをする。
「では、わしの代わりに杖の材料を集めてきてくれるのであれば、値引きしても良いぞ」
[クエスト:杖の材料を集めろ]
[達成条件:素材を収集し店主に納品する]
[収集できた素材に応じて報酬の減額]
[報酬:杖の値引き]
[クエストを開始しますか?]
[はい][いいえ]
なるほど、そう来たか。
うーん、まあ素材集めならのんびりやれるかな。
僕は[はい]を選択した。
「そうか!それは助かる。年をとると出かけるのが億劫になってのう。助かるわい」
店主はにこやかにほほ笑んだ。
[クエストを受注しました]
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