第6話_バトルシステム
エリアを移動しながら、僕の戦闘能力について再確認してみた。
まずレベルだが、どうやら敵にはレベルの概念があるが僕には無いようだ。
どれだけステータスを確認してもその表記が無い。
装備品は旅人の服、魔導士のローブ、魔法の指輪の3つ。まあ初期装備ならこんなもんだろう。
武器は全く装備していないので、基本的には全て魔法で戦うことになる。
では肝心の魔法だ。
どうやらよくあるRPGのように成長やスキルポイントの開放で習得する方式ではないらしい。
戦闘時には左手にダイヤル式のUIが表示されるのだが、よく見るとダイヤルは5重になっている。1つ目は属性、2つ目は魔法の特性、3つ目~5つ目は追加効果を選ぶことが出来る。
この5つのダイヤルをパズルのように回して組み合わせれば魔法が発動するようだ。
ただし、5つ全てのダイヤルを使用するとそれだけ強力な魔法を撃てるが、消費する魔力も多くなる。なので、ダイヤル1つや2つでも撃つことができて、魔力消費を調整できるようになっているようだ。
中々魅力的なシステムなのだが、フルダイブゲームでやるには少々忙しい印象だ。
走って攻撃をかわしたり、移動しながらダイヤルを調整して、現在の魔力量と相談しながら状況に応じた魔法を選択する。その上で敵を狙って撃つ必要がある。
やることが多い…!
このシステムはリアリティがあって、戦略性も高く面白そうだとは思う。
しかし実際にやってみると古のコマンドバトルシステムがいかにシンプルかつ分かりやすく、プレイヤーの負担を軽減していたのかがよくわかる。
ゲームにおいて重要なのは瞬間的な面白さではなく長く続けられる継続性なのかもしれない。
まあ、追加効果で自動追尾とか、トラップ型とか選択できるようなので、慣れれば何とかなるかな。
あと、一度発動した魔法は図鑑に記録されて、そこから呼び出すこともできるらしい。
変わっているなと思ったのは、組み合わせが正しければ、プレイ開始直後から最上級魔法も撃てることだ。まだ魔力量が少ないので高威力は連発できないが、自由度が高いのはとても評価できる。
しかし、組み合わせは最初は全くわからないし、想定された組み合わせ以外はエラー扱いとなるようなので、最初は勘でやるしかないのだが、成功率は高くない。
先ほどの戦闘では、たまたま強い組み合わせが偶然出たようだが、焦れば焦るほど成功率は下がる。
うーん、上級者向けのゲームだ。
だが仕様を理解して色々試すことが出来れば面白さがわかってくる。
僕はそういうゲームが大好きだった。
脳死ゾンビアタックやたたかうコマンド連打ならだれでもできる。
でもこのゲームには戦略性と頭の回転の速さが要求されている。
これこそ僕が求めていたゲームだ!
思わず笑みがこぼれる。
さて、何が待ち構えているのか知らないが、全部消し炭にしてくれよう!
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