《 第3章 》狐の口

『''獲物…みつけた''』


こいつ、、何者なのよ。

私はどうしたらいいのかも分からずに、

この場から離れて自衛することにした。

狐は変わらず私をじぃっと見ながらにんまりとしている。

私はタイミングを見計らい、猛ダッシュで自転車を起こしてまたがった。

そして全速力で漕いだ、つもりだった。

景色がなかなか変わらずに異変を感じた私は

ふと、後ろを振り返ると愕然とした。

あの狐が、不気味な狐が、腕を異常な長さに変形して私の自転車を持ち上げていたのだ。

「ちょっ、ちょとちょとちょとっ、??!!」

「''獲物ォオォオォオォオォオォオォ!!!''」

急に狐は大きな雄叫びを上げ、自転車ごと私を高く持ち上げた。

するとさっきまでにんまりしていた狐の口が大きく開き、

狐自体の大きさも何倍も大きくなった。

口の中は体と同じ黒いような紫のような色をしていて、

中がどうなっているのか全く見えなかった。

そして気が付けば口の中に近づいて行ってる…!!

「ひっ、ひゃぁあぁあぁあぁあぁ!!」



もう死ぬ、そう覚悟を決めて目を瞑った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る