繰り返さない

 ——頼子よりこはまだ詳しくは知らないが、『戈牙かがもの』には優れた動作模倣能力が存在する。


 ミラーニューロンという言葉がある。脳の神経細胞の一種だ。他者の動作を見て覚え、それを自分の体で模倣する時に働く神経である。『戈牙者』は生まれつき、このミラーニューロンが異常発達しているため、武術の技法の上達が常人より桁外れに高い。


 ここで言う「模倣」とは、相手の動きを見て、それを真似すること。


 「模倣」するには、その「模倣」の対象となる人物の、動作の細部までも理解しなければならない。


 そう、理解できるのだ。


 動作を「模倣」する能力が優れているということは、そのまま——という事実に繋がる。

 

 「動きの性質」とは、さまざまな要素を指す。


 その人物が無自覚に行う「癖」などもその一つだ。


 頼子は自覚せず、動作模倣能力を応用させ——神野かんのという人間の「動きの性質」を完璧に理解していた。


 たった六回射撃した姿を見ただけで、それを見切った。


 だからこそ、


 ここから先の話は簡単だ。発射される寸前に、銃口の延長線上から、自分の身を外せばいい。






 結果——






「…………は?」


 発砲されてもなお目の前で無傷のまま立っている頼子に、神野は寝ぼけたような声を漏らす。


 頼子の方が「は?」と言いたい気分だった。銃弾を避ける、という漫画みたいな芸当を、自分がしてしまったのだから。


 けれど、すぐにそんな疑問は「どうでもいいこと」になった。


 弾を避けられる? 上等じゃないか。何を気味悪がることがある?


 神野という男がこれほど息巻いていられるのは、銃という最強の武器を手にしているからだ。


 その頼みの綱を完封する術を、自分は持っている。


 だったら、楽勝だ。


 勝てる。


 潰せる。


 殺せる。


 死ね。


 頼子は前進し始めた。


 それに対して神野は再び銃撃。


 しかし、当たらない。


「んだとぉっ……!?」


 二度目の回避を見て、ようやく神野はマグレではないと確信し、その弁護士じみた顔を強張らせる。


 頼子は進む。


 発砲。

 

 回避。進む。


 発砲。


 回避。進む。


 発砲発砲。


 回避回避。——走る。


「くそっ!?」


 銃弾を避ける化け物がもう一人増えて神野は驚愕するが、手の動きは滑らかで迅速だった。スイングアウト式のシリンダーを横へずらして空薬莢を捨て、空になったチャンバーにスピードローダーで素早く装弾。シリンダーを中心に戻す。非常に手慣れており、なおかつ素早いリロードだった。


 しかし、発砲するよりも早く、頼子の飛び膝が神野の顔面に突き刺さった。


「ぉごぉっ——」


 鼻っ面がメガネのフレームごとへし折られ、天井を仰ぎ見るように倒れる。拳銃を取り落とす。


 倒れたところへ、両の二の腕に頼子の白い膝が乗り、体重で神野を床に縫い止める。体を起こせないどころか腕も動かせない状態。


 鼻が折れて血まみれとなった顔面へ、頼子はさらに拳を力いっぱい叩き込む。


 メガネがさらにひしゃげ、横へ飛ぶ。


 さらにもう一発殴る。


 もう一発。もう一発。もう一発。もう一発。もう一発。


 時間の経過を忘れて、左右の拳で交互に殴り続ける。


 自分のちっぽけな女の拳で、しかし神野の顔はみるみる膨れ上がっていく。


 拳が痛い。顔というのは思いのほか硬い。だから殴るたびに痛む。


「——死ね」


 それでも頼子は手を止めない。


「死ね、死ね、死ね、死ね」


 木っ端微塵にしてやる。


「死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね」


 そんなドス黒い感情のまま、殴打し続ける。


 しかし、人の手で、ましてこんな女のか弱い手で、この卑劣漢の頭を砕くことなどできなくて。


 だから頼子は、すっかり膨れ上がった神野の両目に指をあてがった。


 にぃぃ、と頼子は歪んだ笑みを見せる。


 この腐った目玉を引き摺り出してやる。空っぽになった眼窩の奥にある脳味噌を引っ掻き出してやる——


「——やめろ頼子っ!!」

 

 その時、後ろから誰かに羽交い締めにされて引っ張られ、神野から引き剥がされた。


 頼子は暴れて抵抗するが、その相手に強引に後ろへ体を向けられ——頬に平たい衝撃を受けた。


「やめるんだ……頼子」


 常春。


 ひどく悲しそうな形相、内側へ振り抜いた左手。……彼に横っ面を叩かれたのだと確信。


 その右上腕は、脱いだTシャツによって固く縛られていた。上半身裸になった彼の右の脇腹には、血に塗れた銃創。


 自分だっていっぱいいっぱいだろうに、こちらの事を気にかけてくれている。


 こんな——化け物自分のことを。


「…………ぁ」


 頼子は、完全に我に返っていた。


 そして、今まさに己が行おうとしていたことの、なんとおぞましいことか。


「あぁぁ……ああああぁぁぁぁ……」


 ああ。


 またウチは。


 やってしまった。


 また。


 人を。


 殺そうと。


 激情のおもむくまま。


 残酷な殺し方を。


「ぁぁぁぁあ…………ああああああぁぁぁぁあぁぁぁああぁ」


 自分の中で、「何か」が壊れてしまいそうな気分になる。


 壊れることで、今までの自分がいなくなってしまうような、そんな強烈な不安感で今にも発狂しそうになる。


 自分でも制御できず、もはや壊れてしまうかと思った瞬間——が頼子の頭を包み込んだ。


「——大丈夫だ。頼子」


 またしても、常春だった。


「君は、まだ誰も殺していない」


 小柄で細身だが、まるで鍛え抜かれた鋼のごとき密度を感じる彼の体は、とても暖かかった。


 その暖かさが、頼子の心をも温め、ぬくい安らぎをもたらしていく。


「そして、僕は君の師として、君に無駄な殺しは絶対にさせない」


 さらに懐深くまで抱擁される。


「君がその手で誰かを殺めるとしたら、それは『日常』を守るためだ。自ら堕ちるためじゃない」


 自ら堕ちる。


 降って湧いた力に酔いしれ、その末に自分の部下に裏切られて凶弾に倒れた、安西蓮のように。


 頼子が「血」の衝動のおもむくままに暴れれば、行き着く果ては「あれ」なのだ。

 

「とこ、はる」


「大丈夫」


 そう繰り返す常春。


 だが、彼の体が不意によろけ、頼子へもたれかかってくる。それを受け止めた。


「常春っ……!」


 そうだ。彼は今、重傷なのだ。


 このまま放っておいたら絶対に死んでしまう。


 早く、早く、どこか病院に。救急車——


 そう焦る頼子の頭上に、影が差した。


「このっ——クソガキ共がぁぁぁっ!!」


 潰れかけた声を上げ、立ち上がった神野。


 大きく腫れ上がった顔。腫れによって圧迫されて細まったその瞳には、炎じみた強烈な瞋恚しんいがギラついていた。


 そして、手にはリボルバー拳銃。銃口はこちら向き。


 こんな座った体勢では、もう避けられない。まして常春もいるのだ。


 当たる。


「死ねぇぇぇぇぇぇっ!!」


 そう確信して、頼子は目をぎゅっと食いしばった、その時だった。


「————テメェがなぁぁぁっ!!」


 別の声が割り込んだ。


 地獄の底から這い戻った亡者のごとき叫び。


 その次の瞬間には、拳銃を握っていた神野の右手が、前腕部から滑り落ちていた。 


「がああああああああああああああああああ!?」


 絶叫する神野。聴く者の心臓を鷲掴みにするようなおぞましい声色だった。


「うるせぇんだよぉ!!」


 神野の右手を斬った張本人である安西蓮は、再び神野の胴体めがけて逆袈裟の一太刀を浴びせた。


 深い傷を斜線状に負った神野は、その傷と右腕の断面から急速に生き血を漏らし、看板のようにうつ伏せに倒れた。ぐしゃり、という水気を帯びた重い音。


「はぁっ……はぁ……」


 蓮は息を切らせながらよろけ、しかし刀を杖代わりにして立ち姿勢を保つ。


 ——常春と頼子の身に迫っていた生命の危機は、敵であるはずの蓮の手によって事なきを得た。


「……あんた」


 頼子は恐々とした声でこぼす。


 蓮の姿もまた、神野に負けず劣らず瀕死の様相だった。


 四つの銃創から流れ出る血を足から垂れ流し、顔からは血の混じった脂汗を滲ませ、産まれたての子鹿のごとく震えた両足で立っていた。


「クソが…………こんな、カスに……俺は、踊らされてたってのか……こんな、不意打ちでやられる、ような、クソカスに……」


 蓮は荒い息を交えながら、かすれた声で自嘲するように呟く。


「なさけ、ねぇな…………自分テメェで、力が全てとか、吐かしときながら……このザマ、だ…………」


 常春は、同情するような目で蓮を見ていた。


「俺ぁ……今まで、なにやってたん、だろう……な。けっきょく……俺は、何も…………築けて、いなかった……壊して、ばっかり、だった…………」


「蓮……」


「なぁ……俺ぁこれから……どうすりゃ、いい……? これから……何すりゃ、いいんだか…………ぜんぜん、分かんねぇ。教えてくれ……」


 まるですがりつくような声。


 いつも人を食ったような態度を崩さない蓮の、初めての「弱み」であった。


 無理もない。


 片腕であった部下に裏切られただけならまだ良い。


 しかし、自分にとって「絶対」と信じて疑わなかった「生き方」すらも、その裏切り者にそそのかされて歩まされていたものだと知ったのだ。


 自分の意思で生きているつもりが、他者に動かされていた。


 プライドの高い蓮がそれを知った今の心境は、察するに余りある。……同情はしないが。


 その時。


 出入り口である両開き扉から、勢いよく誰かが入ってきたため、常春は思わず身構えた。


 しかし、その「誰か」が既知の人物——東恩納ひがおんなじんであると視認し、緊張が半減する。


 仁は血まみれの蓮と、同じく血まみれで倒れている神野を両方見て、ギョッと目を見張った。


「ビビんなよ……こんなザマだが、まだしぶとく生きてる。…………?」


 今このタイミングで仁がここまで来たのには、何か理由があるはずだ——そう見通した口調で尋ねる蓮。


 仁は呆れたような、不覚を取ったような態度と口調で、


「やはり……電話をかけたのに気づかなかったか。何度も電話したんだぞ……」


「戦う邪魔に、なると、思ってな……お行儀よく、マナーモードだったよ…………」


 かすれて途切れ途切れな声でそう言う血塗れの蓮に、何か言いたげにしているが、すぐにそれどころではないと判断し、仁は強引に気を引き締めた。


 そして、告げた。




「それよりも、大変だ! ——『唯蓮会』下部組織の下っ端どもが、武器を持ってたくさんここに集まって来てる!! !!」




 蓮だけでなく、常春と頼子まで息を呑んだ。


 ただ一人、神野だけは、くつくつとせせら笑う。呪うような声で。


「クックッ…………念のための、保険、だよ。ボロボロとはいえ……相手は『戈牙者』。俺一人、だけじゃ、役不足かも、しれねぇんでな。——


 荒い息で途切れ途切れなそのセリフが、何よりの「裏付け」だった。


「冥土の土産に、教えてやるよ……俺のシンパは、ほぼ全員が……お前に恨みを持ってる、連中、だ。強引に、馬鹿力を見せりゃ、大抵の奴は、言う事聞くだろうがよ……同時に、恨みも抱くもんだ。俺の今回の「計画」は、もう御破算だがよ…………お前を殺せる、となれば、奴らはそのことにも構わず、襲いかかって、くるだろうよ………………これが、チート能力振り翳してきた、因果応報だよ、クソガキ。体に四つも、トンネルが、出来上がったテメェに……どれだけ相手が出来るかねぇ……?」


「神野っ…………貴様の仕業かぁっ!!」


 烈火のごとき怒りを見せる仁の代わりに、蓮が神野の背中を刺した。


 枯れたような呻き声を上げ、しかし視線だけは蓮の顔をギラギラと見据え、呪詛を吐いた。


「地獄で、一足先に、待ってるぜ…………クソ、ガ、キ………………」


 その言葉を最後に、とうとう神野は意識を失った。


 そして、聞こえてくる。


 無数の足音が重複した、地響きにも似た重低音が。


 階下から。


「クソがっ……!」


 蓮は毒づく。


 常春とて同じ気持ちだ。


 今の自分達では満足に戦えない。数を集めて攻められたら終わりだ。


 連中が、蓮だけ殺してノコノコ引き返すとは思えない。


 常春も、頼子も、ともに『唯蓮会』と敵対するような行動を取ってしまっている。「蓮への個人的な恨み」ではなく「組織のメンツ」のために、常春と頼子にも手を出そうとする可能性も高い。


 こうして考えを巡らせている間にも、波濤のような足音はさらに大きくなってくる。


 ——またなのか?


 また、守れないのか? 『日常』を。


 守れず、甘んじて蹂躙されるのか?


 殺され、辱められる光景を、動けぬ体で座視するのか?


 その後、自分も無抵抗で殺されるのか?


 ——そんなのは、ごめんだ。


「常春……?」


 戸惑った様子の頼子を置いて、常春は立ち上がり、前へ出る。


 あの頃のようには——レーナの時のようには、もうならない。


 繰り返さない。『非日常』を。


 守ってみせる。『日常』を。


 救ってみせる。頼子だけでも。


 座して死を待つなど絶対に嫌だ。


 戦ってやる。


 よろけながら、これから多くの敵がなだれ込んでくるであろう両開き扉へ歩いていく。


 ゆっくりと、しかし着実に地を踏み締めて、常春の一対の足が血の足跡を刻んでいく。


 その隣に、もう一対の足が並んで歩む。


「…………よぉ……俺も、参加させてもらうぜ……」


 蓮だった。


 常春は怪訝な顔をして、


「……どういう、風の吹き回しかな」


「黙って殺される、豚の最期と……足掻いて殺される、狼の最期。…………お前の中の、『戈牙者』の血は……どっちを好むよ?」


 もはや息も絶え絶えなその言葉を聞いて、常春は思わず苦笑する。


「ははっ……最後の最後で、気が合ったみたいだね……」


「みてぇ、だなぁ……」


 蓮もまた、同じような笑みを返す。


 もはやすぐそこまで迫りつつある、怒濤のごとき足音の重複。


「……常春……あんた、まさか……!?」


 頼子は、常春が何をしようとしているのかようやく理解した。


 常春へ駆け寄り、腕を両手で掴んで止めた。


「駄目! 戦うっていうんでしょ!? そんな血だらけな状態で! 絶対駄目っ!! 病院に行かないと駄目よっ!!」


「どこから、逃げればいいんだい……?」


「えっ……そ、それは」


 常春に痛い所を突かれて言葉に詰まる頼子だが、仁が助け舟を出すように言った。


「この部屋の奥の壁に非常口がある。高くておっかないが、そこからなら逃げられるかもしれない」


「非常口…………そ……そうよ! そこから全員で逃げればまだ助かる可能性が——」


「頼子、

 

「え————かふっ」


 常春の肘による当て身を喰らった頼子は、全身を一瞬激震させてから、力無くふにゃりと崩れ落ちた。それを左腕で受け止める常春。


 それから、仁へ視線を移す。


 常春が何を言いたいのかを察した仁は、死地へ赴く兵を見るような目を向けて問うた。


「……?」


「はい。……どのみち、誰かがここで足止めしていないと、もう逃げきれない」


「そうか……」


 そう哀愁の宿った相槌を打つと、仁は常春の意図どおり、気絶した頼子を受け取り、担ぎ上げた。


 蓮は微笑し、告げた。


「仁よぉ……俺からの、最期の命令だ。——。俺達が……その時間を、稼いでやる」


「……蓮」


「それと…………今まで、ありがとう」


 仁は目を見開き、胸から溢れる熱い感情を押し殺すような、不恰好な笑みを浮かべた。


「……俺の方こそ、礼を言いたい。俺も今まで、お前に守られていた。お前がいなかったら、俺はとっくにこの世にいなかっただろう」


「そうかい…………『郷愁きょうしゅう』の、ママさんと……仲良くな。惚れてんだろ? お前……」


 仁は頷くと、悔しさを噛み締めるように唇を食いしばり、頼子を担いだまま背を向けて奥まで走り去った。


 非常口のドアを開いて外へ出た。


 ドアが閉まった。


 とうとう二人きりになった。静まり返った最上階に、階下から敵が近づく足音の重々しい重複だけが響く。


 常春はそんな空間に、軽口を投じた。


「天上天下唯我独尊な安西蓮サマが「ありがとう」ときましたか……」


「るせぇ、殺すぞ」


「うわぁ怖い。…………っと、そろそろヤバそうだよ」


 もはやドア越しにさえ、騒々しさが濃厚に聞こえてくる。


 やがて——両開き扉が勢いよく開かれた。


 わらわら、わらわら……まるで鉄砲水のごとく溢れてくる人の群れ。その誰も彼もが、殺傷力の高そうな武器を持っていた。


 敵の数は、勘定も馬鹿らしくなるほど未知数。


 対し、こちらは手負い二人のみ。


 だけど——二人とも『戈牙者』だ。


 蓮は獰猛に嗤う。瀕死の状態であるにもかかわらず、生気を強く感じさせる笑み。


「はっ……クソ素人どもの群れに、死にかけの『戈牙者』が二人…………?」


「同感」


「……殺すな、とか野暮やぼい事……言ったりしねぇよな」


「ああ……好きにしていい。どうせこれが最期なんだ。残った力を好きに発散させたまえ」


 言いながら、常春も「外した」。


 普段、自らに課している、「血」を抑え込む精神のリミッターを。


 武術とは、肉体だけでなく、意念いねん——意識の動きも重要視する。意識もまた肉体に影響を及ぼすからだ。


 その一環として、常春は師から、心の暴走を抑え込む特殊な訓練を受けている。『戈牙者』でありながら常春が闘争心に呑まれないのはそのおかげだ。


 その「枷」を、今——解き放った。


 途端、電熱のごとく、足底から頭のてっぺんへ向かって「衝動」が貫いた。


 目の前の大群に、しかし脅威など感じず、むしろ微笑さえ浮かぶ。


 早く戦いたい。ボウリングのピンのように、あの雑兵を気持ちよく蹴散らしたい。


 その強烈な闘争本能がアドレナリンの過剰分泌を引き起こし、傷の痛みを鈍くする。


 二人の『戈牙者』は、踏み出す。


 血まみれの足で、しかし巨人のごとき盤石な一歩を。


 たったそれだけで、人の波が、押し返される。


 『戈牙者』達は、宣言した。


「「——死にたいてぇ馬鹿から、前へ出ろ」」

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