第4話
母とあの話をしてから1秒1秒がすごく大切に思えた。
翔と登校する時間、佳奈と話す時間、母や父と話したり、出掛けたりする時間何気ない一つ一つがとても大切で尊い時間に思えた。
「おはよう!翔!」
私はいつも通り、翔に声をかける。
「おはよ、今日から修学旅行の班決めとか色々めんどいこと始まるな」
「だねー!でも楽しみだからめんどくさくはないかな!」
「あっそー、俺も楽しみではあるけどな」
翔と話す時は少し不安が減る。楽しくて、何でも忘れられる気がするから。
「あ、俺今日日直だわ、先行く」
そう言って走って先に行ってしまった。
1人で通学路を歩いていると、少し目眩がした。
「おはよ!葵!」
佳奈に話しかけられて、目眩がおさまった
「おはよ!佳奈ありがと!」
佳奈は何が?と言いたげだったが、私は話を続けた
「修学旅行楽しみだねー」
「そうだね!班決め楽しみだわ!」
修学旅行の話をしていると学校につき、教室に向かった。
今日も、西村さんが号令をかける
「おはよう!今日は班決めがあるのと、あとは学級委員集まりがあるから忘れないように!以上!」
「葵!今日は楽だね!!」
そう言われ、時間割に目を移す
「本当だ!ラッキー!」
2時35分5時間目が始まる。
クラスがわいわい騒がしいのを学級委員の宮下が
「静かに」
と声をかけ、教室が静まる
「今日は班決めを行います。まずは希望の5~6人でわかれてください。」
そう西村さんが言うと、みんななりたい人の方へ歩いていく。
「葵ー!」
「佳奈ー!」
私たちは2人なので、最低であと3人は必要だった。
あとは、と悩んでいると
「葵ちゃん、佳奈ちゃん私達も、いいかな?」
と声をかけられた。振り返ると
「茜ちゃん!それに凛ちゃんと由紀ちゃんまで!全然いいよ!だよね佳奈!」
「うんうん!この5人最高だわ!」
と2人ではしゃぐ
「ありがとう!!」
と茜ちゃんたちが言う
「班、最高だったね」
「だね!そういえば葵どういう服着ていく??」
「んー!まだ悩んでるけど、黒系統で行こうかな!」
「そっか!じゃあ私こっちだから!」
「うん!またねー」
そう言って私たちは帰路につく
そういう日々の繰り返しで修学旅行に行くための準備が進められて言った。
「ついに今日だ!!」
と張り切って私は飛び起きる。今日は1月27日
今日から3泊4日で北海道に行く。
「おはよう!!!」
「おはよ、今日はいつもよりうるせえな」
「なにそれ!ひど!」
私がそう言うと、翔は笑う。
「てかその服俺好み。」
「そう?良かったじゃん」
照れ隠しのためにわざと塩対応をする。
翔に好みの服は?と聞いたのが今日のためだとバレなくて良かった、と少しほっとする。
「じゃ、4組集合あっちだから。」
そう言って翔は行ってしまう。
「おっ!葵じゃん!おはよ!あれ、服似てるね!」
「ほんとだ!おはよ!」
その後、茜ちゃんたちを見つけ、班ごとに電車に乗って、飛行機に乗った。
1日目はクラスごとに北海道を観光しスキーをして、ホテルに行きご飯を食べたり、温泉に入ったりして終わった。
2日目は班ごとにスキーをして楽しんだ。お昼はホテルのバイキング。すごく楽しかった。佳奈の口からあの言葉を聞くまでは。
「楽しかったね!明日楽しみ!!」
「そうだね!楽しみ!」
すごく楽しいはずだった
「おはよう!今日は自由に観光!だよ!」
「おはよう!観光たのしみ!」
午前も午後も佳奈と茜ちゃんたちと楽しく観光していた。
「もうこんな時間!ホテルに戻んなきゃ怒られる!!」
「本当じゃん!早く戻ろ!」
私たちはそそくさとホテルに戻った。
「葵!先いってて!飲み物買ってくる!」
「了解!!」
この時、私も行くべきだったのかもしれない
「ただいまー!!!!」
「おかえり!随分と機嫌いいね!」
と茜ちゃんが言う
「ね!何かあったの??」
凛ちゃんがそう聞くと
「気になる!」
由紀ちゃんまで乗っかっていた
「実は、彼氏が出来ました!!」
「え!だれだれ!」
「教えてよ!」
「広斗くんとかかな!」
茜ちゃんたちはすごく盛り上がっている
私は少し、嫌な予感がした。
「私も、きになる」
いつも通り返す
「秘密!!」
佳奈はそう言った。私にも教えてくれないなんて珍しい、そう思った。
「まあ、夜ご飯の時間だし、いこ!」
そう凛ちゃんが言い
「そうだねー」
茜ちゃんがそう返し、部屋を出る。
夜ご飯を食べ終え、温泉に入り、その日は眠りについた。
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