92話目「さらりとした告白をする話」

「あ、そういえばさ、私って美羽のこと好きっぽいんだけど、付き合ってくれない?」

「ん? いいよ」

 それは学校からの帰り道でのことだった。

 雑談のさなか、カスミは美羽に告白をして、受け入れられた。

 そして――――

「んじゃ、次の土曜とかデートする?」

「お金ないから家デートなら」

「それ、いつも通りじゃん」

「じゃ、エッチでもする?」

「するする」

 ――――性交渉の約束をしてしまい、まもなく二人は「じゃあね」と言い合い、別々の道へと分かれた、のだが――


「いや……、さらりとした告白なら、緊張しないかと思ったけど……マジ緊張した……。ってか、え? ――私、エッチの約束した?」

 自宅に帰ったカスミは、ベッドの上で顔を覆った。


「いやいやいや、いきなり告白とか、なにそれ……。心臓止まるかと思ったし……。ってか、え? ――私、エッチの誘いした?」

 自宅に帰った美羽は、ベッドの上で頭を抱えた。

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