第5話 村を救って異世界生活への準備始めます

 村の騒動に首を突っ込んで村を防衛する事になった力生。


 そして今盗賊団のボスと一騎打ちが始まろうとしているのであった。


「やってやるぜ。俺のこの能力の利点を全て使って」

「なんだかよく分からないが俺の手にかかれば貴様のようなガキはどうにもならねぇよ。」


 岩石を自在に操り力生に向けて放たれる。

 それを視界に収め、体を駆け巡る能力の巡りを上手く使って能力エネルギーをグローブみたいに変形させ、そのまま突っ走る力生。


「これでテメェをぶっ飛ばすー!」

(相手がどんな手を使ってくるか分からない以上エネルギー消費を最小限に出来るこれでダメージを与える一瞬だけ放出度を高めて潰す!)

「この岩石を操る力で確実に息の根を止める。あんな小僧なんかにここまで生き抜いて来た俺が負ける訳がない!!ロック・デザストー!」


 九つの岩石が円状に高速回転して力生を囲み中で殺そうと画策する。


「甘い。エネルギー変換~!」


 と言うと周りを囲んでいた岩を全部エネルギーの粒子に変換させ、その変換したエネルギーを相手へ放つ。


「な、なんなんだそれは・・・!」

「隙あり。はぁあああ!!!」

「ぐはっ…」

光弾拳こうだんけん。」


 当て終えると技名を呟く。


(つい…流れに任せて呟いちゃったけど少し恥ずかしいな。でもこんな機会がないとこんなはずかしいこといえないしまぁ、いっか。)


 それを食らって先にある岩場に頭から突っ込んだ。

 まともにさっきの攻撃が入りふら付きながらも起き上がる盗賊の頭。


「あぶねぇな。俺がタフじゃなかったら今のはヤバかったかもな~。」

「ちっ、バケモンかよ。まぁ、そうじゃないと盗賊の頭なんてやってねぇか。」

「あぁ~タフじゃなかったら死んでる場面はいくらでもあったからなぁ~」

「そりゃ~今、このタイミングじゃ、ありがたく無い経験だなぁ~」

「そう簡単に俺を倒せると思うなよ!小僧」

「簡単じゃなく、確実に倒してやる!」


 岩系の能力を使うのをやめ、小細工なしの丸腰で向かってきた。

 それを見て思考を巡らせ、最適解を考える。


(エネルギーを体に巡らせてそれで自分の身体能力をドーピングして決める時にグローブにエネルギーの最大火力を乗せて奴にぶつけて終わらせる。)


 そして第一撃を食らう。

 それを食らったのは力生だった。


「ごっはぁっ…」

「まだまだ!」


 激しい集中攻撃を食らう。


 何故、こうなったか理由は明白だ。

 圧倒的な戦闘経験の差。

 それは実力は別の人の経験で得られるものである

 その洗礼を今、力生は受けていた。


「なんだよ。この程度かぁ。なら最初から肉弾戦で良かったな。」

「くそ…まだだ!」


 エネルギーを瞬間的に放出する。


「く、な、なんだ‥‥」

「これで間合いは取れたか…」

(あぶねぇ・・・身の危険を感じて無我夢中でやったらできて良かった。)

「くそ…至近距離でいきなり撃ってきやがって。」

「これで最後だ!エネルギー集約チャージ完了。ハイパーキャノン!!」

「舐めるな!ロック・ダンス!」


 と激しいエネルギー波の衝突が起こっていたが力生の狙い通りの展開だ。


「その岩全てをエネルギーに変換!威力アップに回す。行けぇー!!」

「な、なに!?」


 盗賊団のボスに直撃し焼き焦げにしたのだった。


「ふぅ~狙い通り。人間って言うのはとっさの状況になると癖になってることをする。それを利用させてもらったこれでダメならヤバかったけどな。」


 辺りは何とか盗賊団相手に力生の入れ知恵もアリ勝ったり足止めしたりしていた。


「ふぅ~盗賊野郎共!お前らの大将は俺がやったらお前らも大将と同じ目に遭いたくなかったらここから手をひけー!!」


 と言うとその声のする方を盗賊団のメンバーが全員そこに視線を集め、ボスが死んだという認識をして身の危険を感じ慌てて逃げだす。


 逃げきれなかった奴は有言実行でエネルギーを放ち蹴散らせた。


 暫く騒々しさが村から響きそして落ち着いた。


「さてと恐らく撤退しただろう。エネルギーを回収しま…」

「死ね…!ボスの仇!!」

「やっぱ出て来たか。こいう奴。これでも食らってろ。」


 顔目掛けてエネルギーを放ち頭をエネルギーの熱で燃やした。


「おい、一応言っておくぞ?お前らなんていつでも殺せるんだよ。生きたきゃもういらねぇちょっかいをかけるんじゃねぇ…いいな!!」


 と数人の隠れて殺そうとしていた盗賊を迫真の気迫で脅し手を引かせた。


 駆け寄ってきた村人達に辺りの見回りを任せ、暗殺を狙った奴ら逃げてから一時間後辺りに盗賊は居なくなった。

 こうして無事盗賊団を撃退したのだった。


 その後盗賊団の死体は力生のエネルギーに変換された。


 それから数日後


 被害に遭った物の修復をしながらも村に平穏が戻った。


「それじゃ村長さん。暫くこの村でお世話になります。」

「えぇ。こちらこそ。宜しくお願いします。」


 こうして力生は衣食住と仲間と異世界の情報を手に入れた。

 やっと異世界生活をする為の基盤が整った。

 これから真の力生の異世界生活の幕開けなのである。

 果たしてこれからどんな事が力生を待ち受けているのだろうか…




          続













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