第3話 村の攻防戦

 力生に襲い掛かる男達。


(うわぁ…やべぇ意外と怖いなこれ…さっきは勢いとまぐれでなんとかなったけど…でもとりあえずやらないとここで死ぬ…せっかく転生して来たってのにこんなところで死ねるかー!)


 と心の中でへたれる自分に気合を入れて己の能力を駆使して戦う事を決め、男達に突っ込んで行く。


(こいつらを捕まえたらこの世界の事が少し分かるかもしれないし、どうにか生け捕りにして情報を吐かせたいなぁ~何か良い方法は無いのか…あっ!昔、見たマンガでエネルギーをロープ状にして相手を縛るってあったな…あれやれるか試してみるか!)


「やってやる!これでも食らえ!」


 と走りながら呟いてスライディングで一人の男の間合いに入り魔獣に放ったエネルギー波の容量で漫画で見た描写をイメージしてエネルギーのロープを形成しマンガで見た描写の容量で厳つい男の一人に放った。


「なんだこりゃ…」


現在のエネルギーゲージ

〖▐▐〗


 と男を拘束する事に成功した。


「お、上手くいったぞ!これで動けないだろう!」

「こいつ!なんなんだー!クソー!」

「おい!お前ら!こいつみたいに生け捕りにされたくなかったらさっさとこの場から失せろ!」

「な、なんだ!?あの光ってるあれは!ま、魔法使いか!そんな奴がこんな場所に居るなんて聞いてないぞー!く、くそー!こんな所で全滅する訳にはいかないな!気を失ってるボスを抱えて一旦ずらかるぞー!」

「おう!」


 と勇ましい返事をし逃げて行った。

 撤退して行った男達を背に一安心した力生。


「何とか撤退してくれた良かった…」


 とその場に倒れこむ力生。


「クソー!アイツら!俺を置いて行きやがった!」


と攻防をしていた村人達もやっと終わったと気を緩めた。

そして一息ついたら気を引き締め、生け捕りにしたに質問をする為に立ち少し歩いた先に居る男に威圧感を出しながら目を合わせ話しかけた。


「お前達は何者だ?なぜこの村を襲った?」

「何故お前なんかにそんな事を言わなきゃいけないんだ!!」


と相手も高圧的に返して来たので男に手を向けこう告げる。


「今ここでお前を縛ってるようにもっと苦しめる事が俺には出来るんだ。口の利き方には気をつけろよ…」


と言い放った。


「クソ…分かったよ。俺達は荒くれ盗賊団だ。ここには依頼者から頼まれて村人を全滅させに来ただけだ。」

「そうか、ありがとう。お礼に更にきつく縛ってやるよ。」


と今よりも更にきつく拘束し、その場を遠い場所から見ていた生き残った人達の方へと歩いて行き、村人に話しかけた。


「良かった。全滅だけは阻止出来たみたいで」


と話しかけると生き残った内の一人のご老人が力生にこう話し返した。


「我々の村を救ってくださった事に村長として貴方様に深く感謝します。」


と村長と言うご老人が力生に述べた。

そして村人の各々が感謝を力生に伝えた。


「良いんですよ。別に放っておけなくて助けに入っただけなので」


(まぁ、本当はこの世界の事を聞きたくて助けたけど悪い目的ではないから良いだろう…)


「旅のお方や。何か礼をしたいのだが何かござらんかな?我々に出来る事があるならば出来る限りの事をしますぞ」


(お、まさかの願っても無い事を向こうから言ってくれるとは…)


「でしたら自分は遠い異国からここまで来たのでこのあたりの事を全然知らないのです。なので色々と教えていただけないでしようか?」


そう力生が言うと村人達は困惑するような表情を浮かべ、その思いを問うように力生に村長が聞いた。


「あ、あの~そのような事で良いのですか?もっとこう色々あると思うのですが…」

「でも今、こちらの村の現状を知ってるとそれくらいで大丈夫です。」

「そ、そうですか…感謝します。では我々の知っている事で良ければ何でもお話ししましよう。」

「ありがとうございます。では、まずは、この国の仕組みについて教えて欲しいのですが」

「えぇ。良いですともお教えしましよう。」

「ではお願いします。村長さん」

「この国は今から三千年前に存在した小さな島に人類は暮らしておりました。そんなある日、神に選ばれし存在の一体である。ドラゴンが攻めてきました。その圧倒的な強さの前に人類は絶滅の危機に瀕しました。その時、神からのご加護で人類側のある勇敢な青年に強大な力を授けました。その力によってその青年の手で人類が住んで居た島を好き勝手にしたドラゴンは倒され、それを気にその青年を英雄と人々は称え、感謝しました。その圧倒的な力から神のような存在だとしその青年はのちに結婚しその家族から英雄王と言う概念を生み、未だにその英雄王は子孫たちの繁栄により、存在しこの人々の暮らす世を統治されているのです。この話は子供の頃に誰でも聞く話なのです。なので広く国民に広まっておるのです。」

「なるほど。そんな出来事が言い伝えとしてあったんですね。それでこの世界には食べ物や道具を交換する時に使うモノなどはありますか?」

「それでしたらこのレイドの事ですかな?」


と出してきたのは日本の硬貨みたいな形をした物を出して来た。


「これがこの世界の交換に用いる物ですか。しかし何故レイドと言う名がついているのですか?」

「それはこの世界を守った青年の名前とされているからです。そして今、私が目の前に出した物が最小を示す物になります。」

「なるほど。こういったものが後何種類ほどあるのですか?」

「全部で六種類です。額で言うと最大で十万レイド、一万レイド、千レイド、百レイド、十レイド、一レイドがあります。」

「なるほど。では、暫く住む場所を探しているのですが、こちらに暫くお世話になれたらいいなと思うのですが…どうでしようか?」

「えぇ~それくらいの事でしたら是非!」

「では、暫くお世話になります。自分に出来る事があったら何でも言って下さい。」

「それは、ありがたい!ではよろ…」


と話の途中に勢いよく村の若者が村長に報告に来た。


「村長、大変です!生け捕りにした男から知った事なのですがこれから三日後にさっきよりも沢山の人数で襲撃を仕掛けて来ると言い出しています。いかがいたしましよう?」

「なんじゃと…では早速ですが…旅のお方よ。その時、我々に協力していただけませんか?」

「早速ですね…やりましよう。」

とこれから攻めてくる敵を迎え撃つ事になった力生なのであった。




             続




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