第151話~200話

第151話 一心同体

僕とカイルは双子だ。

一卵性双生児ってやつで、顔も性格もそっくり。

勉強も運動も、食べ物の好き嫌いも全部一緒だ。

 

まさしく僕とカイルは一心同体。

 

カイルは僕が考えていることがわかるし、僕もカイルの考えていることがわかる。

昔はよく、それを利用して、色々と悪戯したものだ。

 

そんな僕らもやがて大人になっていく。

だけど、どれだけ時間が経っても、どんなことがあったとしても僕らは双子で、関係は変わらない。

 

カイルは僕が考えていることがわかるし、僕もカイルの考えていることがわかる。

 

そして、僕らが唯一恐れていたことが現実になった。

 

そう。

お互い、同じ女性を愛してしまったのだ。

 

たとえカイルであろうと、絶対に譲れない。

そして、それはカイルも同じように思っている。

 

だけど、僕らの関係を崩したくない。

それも本音だ。

 

だから僕はカイルにある提案をした。

するとカイルも全く同じことを考えていたようだ。

 

二人の意思は同じ。

それはずっと変わらない。

だから、その提案を受けることにお互い、迷いはなかった。

 

僕はその女性と結婚した。

そして、僕たちはこれからも一心同体だ。

 

終わり。













■解説

お互い殺し合いをして、生き残った方がその女性と結婚するという提案をした。

そして、語り部が生き残った。

語り部とカイルは本当の意味で一心同体なった。

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