第116話 お葬式
突然の他界。
俺もそうだが、家族の誰もが驚いた。
昨日までピンピンしていて持病もなく、100歳までは余裕で生きるだろうと言われていたからだ。
とはいえ、こうなってはお葬式をあげる必要が出てくる。
今まで他人の家のお葬式に出ることはあっても、喪主側としてのお葬式は経験がない。
だから、戸惑うのも仕方がない。
孫なんかはインターネットで色々と調べてくれていた。
死を悲しむ暇もなく、慌ただしくお葬式の準備が行われていく。
だが、お通夜の後の、親戚一同が集まったときはさすがに泣けてきた。
こうやって全員が集まるのはいつ以来だろうか。
こんなことなら、もっと早くになにか理由を付けて呼べばよかったと後悔する。
そして、お葬式当日。
式に来てくれた友人たちが挨拶に来てくれる。
もう20年も顔を合わせていなかった友人が来てくれたことは本当にうれしかった。
ところどころ、不手際もあったけれど、お葬式も無事に終わった。
自分でいうのもなんだが、なかなか良い式だったと思う。
なんだかホッとして、体が軽くなった感じがする。
これでゆっくりできそうだ。
終わり。
■解説
語り部が亡くなった本人。
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