第70話 占い師

とても優秀な占い師がいる。

その占い師の当たる確率は驚異の100パーセント。

人々はその占い師に注目し、連日、その占い師の元に大勢の人が集まった。

 

占い師自身、自分の占いに誇りを持っていて、まさに天性の才能だと自負していた。

そして、どんな占いが出ても隠すことなく、公開することと、どんなことがあっても占いを止めることはしないと決意していた。

 

あるとき、その占い師は自分自身を占ってみた。

 

その結果は「もう二度と、自分の占いが当たることはない」というものだった。

 

終わり。












■解説

その占い師の当たる確率は100パーセントなのに、「もう二度と、自分の占いが当たることはない」と出たということは、「もう二度と占いができない」ということになる。

占い師はどんなことがあっても占いを止めないと決めていることから、占い師はこの後すぐ死んでしまうということになる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る