第69話 教室にて
テスト直前の教室内。
ギリギリまで教科書を必死で見ている生徒や、周りに勉強していないアピールをする生徒など、様々だ。
「私、全然勉強してない。どうしよう」
「私も。昨日、ずっとYouTube見ちゃった」
「部活の大会が近くてさー。練習ばっかで、勉強なんて無理だっての」
「俺は昨日、マック食い過ぎて腹壊してたんだよね」
「ヤバいなー。赤点取りそう」
「もうヤマ張るしかしなかったよ」
「私なんて、そもそもヤマ張ることもしてないよー」
必死に点数が悪かった時のために予防線を張る。
そして、テストが始まる。
教室はシーンと静まり返り、コツコツと回答を書く音だけが響いている。
しかし……。
突然、プーとおならの音が教室に響いた。
一気に、教室は笑いに包まれる。
テストが終わり、休み時間になった。
「ねえねえ、誰? テスト中におならしたの」
「笑ったよなー」
「緊張解けたよ。爆笑で」
「後ろからだよね?」
「いや、前じゃね?」
「左?」
「右かな?」
「誰誰? 屁した奴、手をあげろよ」
すると、一人の男子生徒がバンと机を叩いて、立ち上がった。
「おい、止めろよ! いいじゃん、誰がしたかなんてさ。くだらない。本人が一番恥ずかしいんだからさ。そんなんじゃ、誰もポテトフライを食べれなくなるだろ!」
教室内は静まり返る。
「そうだな。悪かった」
「なあ、みんな。もう屁の話はやめようぜ」
教室の生徒が全員、同意し、この話は終了した。
終わり。
■解説
みんなを説得した生徒は、なぜ、おならの原因が「ポテトフライ」だと知っていたのか。
それはおならをした本人だからである。
そして、最初に「マック」を食べ過ぎたと言っている生徒がいる。
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