第40話 獣害事件
山奥にある小さな集落に、ある青年が住んでいた。
その青年は集落の長の娘に恋に落ちる。
集落の長に気に入られるために、青年は長の狩りについていくようになった。
青年の狩りの才能は高く、すぐに、長に気に入って貰えた。
そんなある日、青年が傷ついた姿で狩りから戻った。
青年の話では狩りの途中に謎の獣に襲われ、一瞬のうちに長が連れ去られたのだという。
集落の男達は、総出で山に入って長を探したが、見つかることはなかった。
それから数週間、またも犠牲者が出た。
男の遺体の一部が山から見つかる。
再び、集落の男達は山に入った。
しかし、その隙を狙ってか、今度は集落が襲われてしまう。
襲ってきたのは巨大な熊で、数人がその犠牲になったのだという。
男達は集落を守る者と狩りをする者に別れ、巨大熊を追った。
すると、すぐに巨大熊と遭遇することになる。
また、数人の男が犠牲になってしまったが、無事に仕留めることに成功した。
その巨大熊を仕留めたのは、青年だった。
集落の者達は青年を称えた。
そして、青年は長の遺体が握っていたという、青年に譲るという手紙を集落のみんなに見せる。
青年は集落の娘と結婚し、新たなるお里なって幸せに暮らしたのだった。
終わり。
■解説
長は一瞬のうちに連れ去れているはずなのに、どうして青年は「傷だらけ」になっていたのか。
また、なぜ、青年は見つからなかったはずの「長の遺体」が握っていた手紙を持っていたのか。
さらに、青年は最初、「謎の獣に襲われた」と言っている。
だが、青年は狩りに慣れているはずなので、熊を知らないわけがない。
つまり、長が連れ去られた事件と、集落を襲った巨大熊の事件は別と考えられる。
最初の長が連れ去られた事件は青年が犯人である可能性が高い。
青年は長に気に入られていたとはいえ、娘の「結婚」とは別の話だったのであろう。
「青年に譲る」という手紙は、「何を」譲るのかが書いていないため、もしかすると愛用の銃などの話なのかもしれない。
また、そもそも、青年は「娘に恋に落ちる」とあり、「恋人同士」ではなく、「一方的に好き」なだけだったということも考えられる。
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