きゅうわめ パーティ

突然決まった遊びの予定に未だに戸惑いながらも私は叶笑の家へ遊びに来ていた。姉に送ってもらったが、この家で間違えないよな。

私の目の前にはどこまででも続いていそうな長ーい土塀があった。

入り口であろう大きな扉のわきにはちゃんと《通山》と書いてある。


ピンポーン


『はーい』


インターホンから叶笑の母であろう声がした。


「叶笑ちゃんの友達の横山です」


『あっ。美里ちゃんね。そのまま入ってもらっていいよ』


「わかりました」


と、言ったが…これどうやって開けるんだ?こんなに大きな扉開けれる気がしないのだが?



ムギギギギギ…



「ハァハァハァ…」(パワーで押し切った)


(んで、入れたはいいもの何だこの無駄に広い庭は…)


2ヘクタールありそうな庭の奥にぽつんと普通の一軒家が建っていた。違和感の極み。


ちょっと小走りでその一軒家に向かうと玄関?から叶笑が出てきた。


叶笑「いらっしゃい美里ちゃん♪」


────

──


どうやら私より先に他のみんなは着いていたらしく、叶笑の部屋に入るとベットに座っている紗香と絵莉がいた。


美里「おまたせ」


部屋の中は私のものとは全く違い、ザ女の子の部屋みたいにぬいぐるみやお花模様がそこら中にある。


私はソワソワしながら座布団に座った。


と、座ったところで私はあることに気付いた。


(そういえば、女子って友達と遊ぶとき何するんだ?)


紗香「んじゃ!早速!美里ちゃん復帰パーティ始めるぞー!」


美里「え?」


パン!パパン!


紗香の声に合わせてみんながクラッカーを鳴らした。


叶笑「ふっふーん。サプラーイズ」


すると突然絵莉が私にパーティ帽子を被せ、叶笑がテーブルにケーキを置いた。


(こんなサプライズあるんだ…)


私は感動のあまり涙が滝のように出てしまった。


紗香「えっ!泣いてるの!?」


美里「だっで。い゛ま゛ま゛でごんなごど…」


叶笑「よーしよし。美里ちゃん良かったね」


そのまま叶笑に【よしよし】されながら私は泣き止み、パーティが始まった。



叶笑「じゃじゃん。美里ちゃんに言いたかったことー」

叶笑が用意したというあまりにも出来すぎているフリップを使い話が進んでいる。


紗香「んじゃ。私から」


叶笑「では!どうぞ!!」


(叶笑は司会者向いていると思う)


紗香「美里がいない期間学校がとてつもなくつまらなかったぞ。また会えて嬉しい」


カァァ


私はさっきから顔を真赤にされている。


叶笑「次は絵莉!」


絵莉「また小説の交換しましよ」


(この世界の私は小説をよく読んでいたのか?)


叶笑「それじゃ。わたし!」


元気のいい叶笑は私の手を掴んだ。


叶笑「また一緒にセタバとかゲーセンとかプリクラとか食べ歩きとか水族館とか遊園地とかスパッチャとか…」


絵莉「はいはいおしまーい。次行くわよ」


叶笑「えー。まだいいきれてないよー」


怒った叶笑がほっぺたを大福のように膨らませる。


紗香「次はこれ」


紗香が勝手にフリップをめくった。


紗香「逆に美里が私達に聞きたいことー」


(逆にか…何聞けばいいんだろう)


美里「それじゃあ…」



────

──


美里「ただいまー」


家に帰った私はすぐにベットにダイブした。


(まさか過去の私が友達のパンツを被って廊下を走り回る変態だったなんて…)


私は布団に包まりどうにかしてこのことを記憶から消そうともがいた。


ガチャ


するとそこへ姉が入ってきた。


姉「美里。ご飯だってー」


美里「わかっ…」


わかったと言おうとしたが、目の前の光景に私は唖然とした。


美里「なんで私のパンツ被ってんの」


姉が私のパンツを堂々と被っているのだ。


姉「ん?なんで?」


美里「なんでってこっちのセリフよ!」


と、言ったはいいものの私も同じことしていたと思い出しその後は何も言えなかった。


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