よんわめ 姉、強い

お風呂で鼻血を出して気絶したわけだが、のぼせたと思われてなんとか誤魔化せた。

だがこれからこれが毎日続くとなるとつらい。


「美里大丈夫?」


「うん…」


そして、今も鼻血が出そうなやばい状況なのだが。


「ごめんね。のぼせてるのに気づけなくって」


「ううん…」


私を膝枕している姉はさっきからこの調子だ。


「ごめんなさい」


「美里は悪くないわ!」


「でも、のぼせてたのに黙ってた私がいけないの」


「もぉ~。美里はなんていい子なの〜!!」


ブモォ


膝枕をしたまま姉は私の頭に抱きついた。胸に押し潰され息ができない。

気を落としている姉を元気づけようとしたが、後悔した。


────

──


「おやすみ美里」


「おやすみ」


やっと落ち着ける時間が来た。ベッドが隣だったら大変だっただろう。


貴重な時間。私はこれまでのことをまとめる。

まず、病院にあった千羽鶴だが、どうやらこの世界では私は友達がいるみたいだ。そして、明日。ついにその友達に会うわけだが、不安でしかない。とりあえず、無言を貫いてやり過ごすしかなさそうだ。状況把握してから大きく動くように心掛けよう。

そして、高級車と執事の件だが、さっぱりわからない。たしかに父親は大手輸送会社の社長をやっている。でもお金持ちみたいな生活はしてこなかったはずだ。

そして、姉だが。男のときにも多少は仲良くしていたが、ここまでベッタリではなかった。

一体この世界の私はどんなやつだったのだろう。


色々とおかしいTS世界のことについて考えていたらいつの間にか眠ってしまった。


──────

─────

───


「ンンッ」(苦しい)


息苦しいので、口のあたりにあるものを退けて目を覚ました。


グニィ


(ん?なにか柔らかいものが…)


朝の光に目が慣れるとそれが何んだかすぐにわかった。

姉の胸だ。


シュパッ


私はすぐに手を引っ込める。


「んもぉ…美里…だいたん…」


まだ眠そうな姉がそう言うと私の手を掴み自分の胸へと引き寄せた。


(ちょっっ!!)


すぐに手を引っ込めようとしたが運動能力抜群の姉に勝てるわけもなく、私の手は再び姉の胸へと運ばれた。


「イヤぁぁ〜!!」


私は耐えきれず、隙をみて姉から抜け出し、ベッドから駆け下りた。


「美里待ってぇ〜」


(なんで姉が私のベッドにいるのぉ〜)


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