形にする仕事

ピチャ

形にする仕事

 つまりなんだ、新しいこと面白いこと何でもやってみよう、という、形にする仕事の現場。

前にはネタを出す人がいて、後ろには形を自分の感覚で理解、消化する人がいて、成り立っている。


 つまりそれは適度に消化できる、消化しにくいものが良いのだ。


 例えばこの世になかなかないもの、意図がない大規模な行い。これは人が意図を探し、理解を探す。それが新しいという刺激になり、クリエイターたちが動き出す。相性のいい悪いはある。しかし、様々なクリエイターを集めておけば、「おっ、使えるぞ」とほくそ笑んでいる者がいてもおかしくない。それが肝なのである。ほくそ笑んだものが形にする。それが売れる。そうしたら金になる。その流れを予想して、協働しないかい、と働きかけているのだ。


 つまり、このネタもっていけよ、と。それで謝礼程度のものはあるのだろうな、と脅さずに要求する。自分の身の周りの言いたい出来事を言うだけで、経済はどこかで活性化している。まさに私の望むことじゃないか。したらば、長く怒っている必要はない。怒るのは怒り続けることの得意な人が勝手にやってくれる。私の仕事は、波を起こして人々に知らせることだ。


 つまり「ちょっと変な、気になる人」。これよ、完璧。これが私よ。



 うまく自分の中で消化できないものが、もしかしたら公に出すのにいいかもしれない。代わりに消化をしてくれる人を探すのだ。自分の中で形にするものは形にしてお金にすればいい。形にならないものこそ、放流するべきかもしれない。

 形にできる人を見つけられるのが一番いいが、もしある程度その流れを組んだ会社があるのなら、そこの雑談に使ってもいいかもしれない。誰かが反応して会社の利益にする、かも。その代わり誰が言っていたことかははっきり把握しないとトラブルになる。

 人のことを真似するのも、グループ内で交流を図っていくうえで大事な要素だからだ。内部で楽しむ。それをしながら、形になったものをテストしたり、外に放流するものを決めたりする。そんなことも、波をいい感じに持ってくるうえで大事なことである。


 できるだけ破天荒なことがいい。こんなことやっても何の意味もない、なんでこんなことをこの規模でやっちゃうんだ、そんなことが大きな波となって、ウケる。

ウケることは日常から脱却させてくれるサインだ。新しい、あるいは面白い、珍しい、そんな刺激となって、人々はそれに一言もの申したくなることだろう。その一言を人から引き出すことが重要だ。

 日常として積み上がっていた退屈さや鬱憤、それを解放させてくれるいいチャンスだ。たびたびそういうことが起こることで、人は日々のストレスを何気なく解消していく。

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形にする仕事 ピチャ @yuhanagiya

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