第2話 大事な出会い
「あれ?ガンビアくん、なんで生きてるの……」
え??
いま、なんでいきているかと聞いてきた?
どういうことだよ……。
なんでそんなことを僕に聞くんだよ……。
もう何もわからない……わかりたくもない。
頭が真っ白になっていく。
「ガンビア、混乱するのもわかるがシャキッとしろ」
混乱して頭が回っていない。
聞こえるはずのないアーバアとは違う声が聞こえる。
聞き覚えのある声。
この声は……チャック?!
「チャック!?生きてたのか!!」
「勝手に殺すな!」
嬉しい……よかった……。
もう誰もいなくなって……僕一人だと思っていた……。
「ごめん……、みんな死んじゃったからチャックもそうだと思ってたよ。でも生きてて嬉しいほんとにありがとう!!」
「……おう、照れるからそんな言うな」
照れる……か。
僕がいまアーバアに対して持っている思い。
チャックに話すか考える……。
いくらなんでも内容が重い……。
困惑……そして、友達を殺された恨み……。
そう考えていたら何かを察したのかチャックが話を続けた。
「ガンビア、つらいだろうが……いまは……。目の前のアーバアに集中した方がいい」
僕でもわかる……だけど……。
僕はチャックがこんな友達が一斉に死んでしまった状況になってもいつもどおりなところが気に食わなかった。
いくら最近きたからっておかしい。
最近とはいえ苦楽を共にしたやつもいるはずなのに。
「おまえ、冷静すぎないか?」
チャックが言ってた通りに僕もアーバアに視線を集中させる。
「だけどまあ……チャックの言う通りだね……」
「おう」
そんなこんな話していたらアーバアが話しかけてきた。
「二人でコソコソ話してないでこっちにおいで」
あ……?
行くわけないだろ、こっちはな……。
ついさっきまで仲良くしてた友達を……。
誕生日を笑顔で祝ってくれた友達を……。
殺されたんだぞ……。
僕も友達もアーバアのことが好きで、守り続けてくれるって信じていたのに……。
一体、何がどうして……。
僕は涙を飲んだ。
固めたくもない決意を固めた。
そして……アーバアに声をかけた。
「アーバア、仇をとらしてもらうよ……。好きだったけど……、ごめん友達を殺した人とは一緒にはいられない、いたくない!」
「そうかい、悲しいねぇー」
アーバアが何を考えているかが一切わからなくなった…… わかりたくもなくなった。
そして、アーバアが悲しいと話した後見ると……。
不敵に笑っていた。
僕はそんなアーバアに拳を向けて構えて言った。
「アーバア、おねがい最期に聞かせて……。どうして今まで優しかったのに……育ててくれてたのに……こんな友達を大量殺人という残虐な行動にでてしまったの……?」
おねがい……答えてくれ……。
まだ……、答えによっては考えられるんだ。
今まで育ててくれた人を殺したくない……。
突然、アーバアの口から爆弾が落ちる。
「殺したくなったから、殺したのよ」
「は??」
僕は、アーバアの返答を聞いてから心を冷静に保つことができなかった。
腰を落として姿勢を整える。
拳に自然の魔力をありったけ注げる限り注ぎ込めて溜める。
「ガンビア、落ち着け!」
チャックが何か話したが何も聞こえなかった。
頭に残らなかった。
自分が考えられるのはアーバアに拳を出すことのみ。
「おりゃーーー!!」
雄叫びとともに勢いで拳を放つ。
そんな時に突然。
僕とアーバアの間に女の人が現れた。
とんでもないスピードで……。
怒っているのを一瞬忘れてしまうぐらい驚いた。
僕の拳も狙ったはずの場所から知らない人の手に当たっていた。
「いいパンチだ少年!だけど!」
??。
急な登場にびっくりした僕は声も出ないで後ろに何歩か下がっていた。
そして評価もされていた。
「……」
目を見つめた。
知らない人とあったら警戒する。
これは常識。
気づいたら見知らない女の人が話を続けていた。
「少年!それ以上やってしまったら犯罪になっちゃうぞ!今、あそこのおばさんを殴ろうとしたね。私が止めていなかったら君はもう立派な犯罪者だったよ。次から気をつけな!後アーダさん逮捕します」
急に入ってきたら僕を止めるやいなやアーバアを捕まえた。
僕は犯罪者になっていたかもと言われた。
アーバアを逮捕してもらったことは感謝した方がいいのだろうか。
でも逮捕したところで僕の友達はかえってこない。
なんだかモヤモヤする。
あっさり終わったにもほどがある。
あんなにも僕は怒っていたのに。
アーバアも逮捕された時、一切の抵抗を見せなかったし。
本当に意味不明。
てか。
ほんとにこの人はだれ?
「あなたはだれですか?僕はガンビアです」
「私?そういえば名乗るの忘れてたね私はー!、しがない一般兵隊のフェストさ!フェスト姉ちゃんって呼んでね!いやな気がしたから急いで来たけど、もう一人いるんだけどこないね。ちょっと待ってね」
フェスト……フェスト姉さんか……。
「はい、フェスト姉さん」
つい呼んでしまった。
「えらいね!」
呼んだら褒められた。
「やっときたね、ピアレス。例の子はおそらくこの子だよ」
もう一人の人がきた。
二人目は男か。
二人目も女の人だと思ってた。
「はあ……はあ、了解です。フェストさん早すぎです。スキルとはいえおかしいスピードですよ……。疲れました……。あっ、私はフェストさんの補佐をしてるピアレスです」
「ピクルスさん、初めてましてガンビアです。」
しっかりと自己紹介を行う。
「「ピクルスって、ププッ!」」
チャックとフェスト姉さんになんか笑われた。
「ガンビアくんね、よろしく。ついでに訂正すると僕の名前はピアレスね」
「あっ、ごめんなさい」
素で間違えてしまった。
だから二人は笑っていたのか。
納得、これは僕が悪い。
「うん、いいよ」
ピアレスさんが許してくれた。
よかった、優しい人で。
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