神立英雄譚〜異能""死の呪いがデメリットでしかないんだが〜
@sikusu
少年編
第1話 誕生日の始まり
今日は10月28日ということは!!
このガンビアの誕生日!!
だからきっと、今日の夜ご飯は僕の好きなのがくるだろうな。
僕はそう思いながら鼻歌まじりに歩いています。
あたりを見回してるけどあいかわらず森と山だなー。
虫さんもたくさんいる。
この山は急斜が多いんだけど僕が今いるところは珍しい平地だ。
因みに、アーバアに教わったことでわかったことだけどこの場所はシュレッツ王国シュナード侯爵領のボルケーノ山だそうだ。
そしてなんとシュナード侯爵は数多くいる貴族のなかでも上位の権力者たちだけが会議に参加することのできる中で第一議席で王の次に偉い立場にあり、この国に君臨しているようだ。
まあ、でもやっぱりご飯が気になるし探そう。
アーバアを探そうと思ったいいところで発見!!
僕はアーバアを見つけたらご飯がなにかを聞かずにはいられなかった。
「アーバア、今日の夜ご飯はなに?」
わくわく、果たして今日のご飯は何というお題に対してのアーバアの解答はいかに……。
おねがい、僕が好きなものでありますように……。
もっと前から願っておけばよかったかも。
いや、今頃でもいい!祈るのだ!
自分が好きな夜ご飯がくるように!
さあ……言われる……。
これで今後の人生が決まると言っても過言ではないのだ。
「今日はカレーだよ」
「えー!!やったー!!」
僕の好きなやつだー。
好きなんだけど、にんじんがねー……。
嫌いなんだよね……また残そう。
だが、ほとんど僕の勝ちとしても問題はないだろう!
そう思っていたらアーバアが話を続けた。
「今日だけはにんじんを残さないでね」
え……、嫌、絶対に嫌です。
無理無理無理!
絶対に食わない!
てか思えば初めてだな、こんなこと言われたの。
まあこんなときはとりあえず……、あれを出してしまえばいい。
僕が誰かを騙すために作った技。
必殺!!上目遣い笑顔!!
「うん!わかったよ!食べる!」
「それでいいのよ」
アーバアは僕の技に引っかかったな。
アーバアが騙されやすいのではない、僕の技が騙したのだ。
なんだかアーバアの視線がいつもより痛い。
別にいつも食ってないんだし、許してくれよ。
なんてったって誕生日なんだしな。
誕生日特権を使わせてくれてもいいじゃん。
そんなしょぼくれていた時に僕は見つけた。
「ん……あっ!」
あそこにいるのは最近こっちにきたばかりのチャックだ!
あいつって、なんだか謎でよくわからないだよな。
根はいいやつだと思うけど。
まあ、そういう詮索はしていけないと教わったんでなしで。
いひひ、いいこと思いついたあいつをうしろから忍び寄って急に叫んで驚かしてやろう。
「チャック!!ワッッ!!」
はい、どうもー……みなさん。
僕は今チャックさんを驚かすのを失敗した。
そして、現在絶賛吊るし上げ中でございます。
てか思えば僕、今までのだれに言ってるんだろう。
なんだかむなしいな。
「あのー……チャックさん、もうそろそろ許してもらえませんかね?だってー、驚かそうとしてただけですし。反省もしてるんで」
「ガンビア……俺は知ってるぞ。そうゆうことを言ってるうちは反省をしてないってな」
チャックさーん、それはないでしょう。
いまいじめて楽しんでるでしょ。
ホントもう許してよ……。
そういえば、こいつ自分の異能のことを知りたいとかって前言ってたよな……。
「チャック!あとで一緒に異能調べるの手伝ってあげるよ!だからっ、な!許して!このとおーり!」
「んー……、まあそれなら許してやる」
「ありがとーう!」
「許したらこうだよ、全く」
暗くなってきたな……、さあて夜ご飯だあー!
嬉しいな。
カレーだあ!
「はい、みんな集まりなー」
「「「「「はーい!!」」」」」
アーバアの夜ご飯だから来なさいと言う。
この施設にいる友達全員が集合した。
みんな自分の席についた。
僕もしっかり席についた。
そして、僕の隣は最近入って仲良くしてるチャックだ。
「チャックも早く来いよー!」
「急かすなよ、疲れてんだ」
チャックはツンツンしてんなー、いつでも。
でも可愛いから許してやる!
ちなみにチャックさんは僕よりも年齢が上です。
「みんなー、今日はガンビアの誕生日だからお誕生日おめでとう!!といいましょうね。それじゃあみんな、さんはい」
「「「「「ガンビア君お誕生日おめでとう!!」」」」」
「ありがとう!!」
嬉しいな、みんなに大切に思われているというのがわかる!
今後もこのみんなと一緒にいたいな。
「はい、みんな祝いたくなる気持ちもわかるけど、夜ご飯食べましょね!ガンビアくん言葉頼むね」
はいきました、いただきました。
誕生日特権のいただきますの斉唱。
では参ります。
「それでは!!友達共々お手元にオレンジジュースはあるかなー?」
「「「「「あるー!!」」」」」
「僕の誕生日にカンパーイ!!」
「「「「「カンパーイ!!」」」」」
ついに始まった誕生日会。
やっぱり嬉しい、幸せ。
「ガンビアくん、僕のカレーわけてあげるね!」
「僕のも食べていいよ!」
「ほんと!?あっ、でもニンジンはいらないです」
みんなが僕の好きなものをわけてくれる。
ほんとに優しい。
ニンジンはしっかりいらないと断るのが僕のスタイルなのさ。
気持ちはありがたかくもらって……。
みんながこんなにも祝ってくれるなんて。
そして、こんなにも好きなものをくれるとは!!
嬉しいな。
頭が幸せモードに入っていたらアーバアが言葉をかけてくれた。
「みんなカレーおいしい?」
「「「「「「うん!おいしい!」」」」」
やっぱりアーバアのカレーが一番おいしい。
何杯でも食べれちゃう。
楽しんで食べていると今聞かれたくないことがアーバアから言われた。
「しっかり、ニンジンも食べてる?」
「もちろん!食べてるよ!」
本当は食べてないけどまるで食べたと思わせる。
アーバアを騙すこの言い方、すごいだろ。
これはアーバアを騙せたな。
自慢モードに入ってたらまたアーバアが話を始めた。
「はい、みんな食べたね。えらいわ。それじゃあしっかり食べたあとはおねんねが大事だからね。““えらい子はおやすみ””」
「「え??」」
アーバアが言葉を発した瞬間、誕生日会の空気が変わった。
辺りを見ると……。
友達が一斉に泡を吹き出した。
血を吐いている子もいる。
え??みんな、急にどうしたんだよ。
僕は……なんともない??
アーバアがおやすみといった途端にみんながしんだのか……??
でも、一体何がどうして……。
そして、僕はアーバアと目が合い言われた。
「あれ、ガンビアまだ生きてるの?」
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