新たなる幕を告げる
きっと今から第三話が始まるのだろうそうだろう
ご不浄で延々と色んな事を悩んでいるうちに本当にお腹が痛くなりだした。私は遠い目をしていた。
我ながらストレスに弱すぎる。
というかなぜこんなに悩みすぎるのだろうか。
そこまで考えても何にも得が無い事はこれまでの人生が証明している。
…という事を考えるのすらお腹に負担がかかりだした。
一方その頃。大天使アズラーイールは悩んでいた。
謀殺ならぬ謀り蘇生に失敗し、己のミスでとうとう普通に生きるしかなくなった。
その上絵に描いたようなホモと付き合わされるんじゃたまったものではない。
どうにかこの状況を脱するにはと考えていた。
…その時彼に電流走る…!
そうだ、蘇生なんてややこしい事をせずとも普通に謀殺してしまえばこの世界から解放されるのではないか…?
世界からの解放が無理でも、それならそれでホモから離れる事はできるはずだ。
一人合点がいった様子で彼は微笑んでいた。愛想笑いにちょっと影が差した。
彼は自分に正直に生きてきた。
下々のニンゲンからも色んな事を学んだ。
これからそれらに囲まれて暮らすの自体は悪くないとそう思った。
その頃一方。主人公は苦しんでいた。
何故か腹痛が悪化する一方で、己がその場のノリで苦しめた天使への罪悪感を募らせていた。神よ、おお神よ…なぜこのような試練を具体的に授けられたのですか…原稿文三枚くらいでなんとか説明できませんか…それくらいなら多分今でも読めるから…
だが無情かな、現実は別に待ってくれる訳でも好転する訳でもない。己の胃下垂をつんざく下痢を止めようはずもない。精神面が弱いというよりは身体的に終わっている所為で精神にも負荷がかかっているという方が正しい。彼の筋トレはどうやら見せ筋止まりだった。
一方その頃。
全く別の場所で死告代理天使タナトスは滅茶苦茶参っていた。
同僚が堕天した挙句上司の命令で帰って来なくなったのはまだしも、
”自分がしっかりと寿命を確認し轢いた輩”がもう一度復活しつるんでいる。
明らかに異常事態だ。彼の輪廻転生はまだ済んでいない。上司の一存で勝手に仕事を取り上げられるのは困る。それに同じ顔を轢くのはいい加減可哀想だ。
整った無機質な顔をゆがめていると彼の兄たるヒュプノスがからかってくる。死としては間違っていても眠りとしては問題ないらしい。この野郎永眠させてやろうか。とはいえ指示がなければまた向かう訳にもいかない。仕事も立て込んでいる。システム的な問題で彼は定期的に同じ顔を確認せざるを得なくなっていた。
パソコンって奴は全くいい友達だが、こういう時は全て自分の手で済ませなければならない。
「キー」ボードに変えていた”仕事道具”の端子を抜き、今度は鎌の形に変えて一度気分転換をする事にした。今日分の仕事もプログラムが済ませた。4重チェックもしっかりした。特別な指示が無ければ重量と住宅街でのステルス性を考慮した軽トラックで急行する必要もない。明日までに寿命の来た奴はまた明日処理すればいい。
番外編に続く。
その頃一方。
トイレで死線を彷徨う主人公は、命の危機が二つくらい雑に迫っている事などつゆ知らず、せめてお茶は丁重に頂こうと低身低頭をつくろっていた。
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