第2話 さようなら、ぼっちライフ。こんにちは、リア充ライフ

 そして次の日の午後3時。約束の時間。

 俺が正門に行くとオシャレに着飾った黒宮が駆け寄ってくる。

「時間ぴったりだね!とゆうかそのマフラー使ってくれてるんだ!嬉しいな〜♪」

「当たり前だろ。市販品より暖かかったからな。今季の冬は使う予定だ」

 早くプレゼントを渡して帰るか。

「メリークリスマス。ぼっち部サンタからのプレゼントだぞ」

「え!マジで!?ありがとう!開けていい?」

「どうぞ」

 さて。どうゆう反応をするか。

「え……うそ……」

 黒宮はプレゼントを見て固まる。

 よしっ!嫌われたな!こんにちは、ぼっちライフ。

 そう思った瞬間。

「私とずっと一緒にいたいだなんて……私嬉しい!元宮君!不束者ですがよろしくお願いしますっ!」

 えっと。なに言ってんだこいつ。

 なんでネックレスあげるだけでそうなるんだ?

 そんなことを思っていると。

「おっ!元宮と有栖じゃん!なにしてんの?」

 昨日のギャル集団とエンカウント。

「見て見て!元宮君が私にネックレスくれたんだ!超嬉しい!」

「マジで!?……ってこれ告白用に送るやつじゃん!やるじゃん元宮!」

 それを聞いて俺は納得。

 つまり……あの店員によって嵌められたってわけか。

「あのさ、そのネックレスは告白のために渡したんじゃなくて、クリスマスプレゼントのお返しってやつだから。だから別に告白したいわけじゃ——」

「え?なに?取り消しするの?このネックレスを送っておいて?もしそうならSNSに書き込むし、私のギャル友に広めるように言うけど?クリスマスに恋心を弄ばれたって。いいの?だめだよね?そんなことされたら楽しい学校生活だけじゃなくて人生までも詰んじゃうよね?だからさ、ちゃんと責任とった方がいいと思うよ?とりあえず一緒に私の家に行こ?そこで2人だけのクリスマスを過ごそ?」

 黒宮はハイライトの消えた目で俺を見つつ早口でかつ底冷えするような声で俺に言う。

 困った俺はギャル達に助けてもらおうと思い周りを見るといつの間にかいなくなっていた。

「ねぇ!?今あの女達に助けを求めようとしたでしょ!?なんで私以外の女を見るの!?ねぇ!?なんで!?それともなに!?私のこと嫌いなの!?嫌いじゃないよね!?ねえどうなの!?答えてよ!!」

 もう手に負えん!

 ええい!恨むからなあの女店員!

「わかった、わかったから!落ち着いて!な?」

「何がわかったの!?」

「付き合おう」

「えへへ♪これから末永くよろしくね?樹君?」

 黒宮は底冷えするような声だったのがすぐにうれしそうな声になり俺にそれを言うとおもむろにポケットからスマホを出して俺の眼前で録音を停止。

「ねえ。樹君の交友関係と誠実さを見る限りだとないと思うんだけどさ。浮気したら許さないから」

「お、おう」

 こうして俺はヤンデレでギャルな彼女ができたんだが……。

「ねえ!?なんで私以外の女のこと見てんのかな?私という彼女がいるのに。もしかして浮気?ねぇ!?どうなの!?答えてよ!!」

 と女の子が視界に入っただけでヤンデレモードにシフトするので正直しんどいです。

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ネックレスをあげただけなのに何故かクラスメイトでギャルの彼女ができた件 猫と犬が好き @nikuoisi

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