ネックレスをあげただけなのに何故かクラスメイトでギャルの彼女ができた件

猫と犬が好き

第1話 悲報:ぼっち部がギャルのクリスマスパーティー会場になっているんだが

 駅前の木々はライトアップされ、男女2人1組のペアをいつもより多く目撃する日。それがクリスマスイブ。

 だが、俺・元宮樹もとみやいつきみたいな独りが好きな人にとっては普通の日なのだが……。

「第1回ぼっち部クリスマス会〜!イェーイ!」

 その声と共にパンッ!とクラッカーの鳴る音が。

 この状況を説明するなら俺が所属するぼっち部の部室がギャル達に乗っ取られ勝手にクリスマスパーティ会場になっている。

 ちなみに首謀者はクラスメイトの黒宮有栖くろみやありす。艶やかな黒色の髪をツーサイドアップにしている女の子だ。

「ほら!元宮君も鳴らして!」

 黒宮に言われて鳴らそうとするが鳴らし方がわからない。

「なあ、クラッカーってどう鳴らすんだ?」

「「「えっ?」」」

 ギャル達はお前マジかという顔で俺を見る。

 仕方ないだろ使う場面がなかったんだから。

 そんななか黒宮は。

「じゃあ教えてあげる♪」

 そう言って丁寧にレクチャーしてくれ、数分後俺は無事にクラッカーを鳴らせたんだが……。

「元宮君!覚えたか確認のためにもう一度鳴らして!」

 黒宮がそう言って俺にクラッカーを渡してきたのでさっき教わった通りに鳴らす。

「「「おお!」」」

 それを見てギャル達は歓声を上げた。

 でもこの歓声はアレなんだよ。ほら、ハイハイしてた赤ちゃんが立った的な感じの。

 そしてその後は無茶振りで俺がギャルの指定した歌を歌ったり、俺がひとりで食べようと思っていたケーキを食べたりして過ごし、時刻は午後3時。

「じゃあウチらはバイトに。それじゃ〜」

「楽しかったよ〜バイバイ〜」

 などと言って部室からいなくなるが黒宮は部室に残った。

「帰ってもいいぞ?片付けは俺やるから」

「私も手伝うよ!勝手に占拠してクリスマスパーティをやったんだし……。それに高いケーキを食べさせてくれたんだよ?掃除ぐらいやんないと!」

 そう言うと掃除用具入れから箒を出して床に散らかったゴミを集め始める。

 じゃあ俺は机の上を片付けるか。

「それも私がやるよ?」

「いや、黒宮だけにやらせるとあとが怖いから」

「どうゆうこと!?」

 後から『陰キャ男子に片付け押し付けられたぴえん』と俺の実名付きでSNSに投稿されても嫌だからな。

 後ろから「ねえなんで⁉教えてよ!」とギャーギャー五月蝿い声が聞こえてくるが無視して片付ける。

 俺が机の上を片付け終わると黒宮が何やら掃除用具入れを物色していた。

「何してんの?」

「塵取りがなくて……」

「掃除機で吸ってくれ。中にあるだろ?」

「あった!」

 そう言うと慣れた手つきで掃除機を起動してゴミを吸い、掃除完了。

 俺は鞄を持ち帰ろうとすると「待って!」と黒宮がドアの前に立ち塞がってそして。

「はいこれ!クリスマスプレゼント!」

 そう言って俺に渡したのは手作り感満載のマフラーだった。

「ギャル特製手作りマフラー♪……なんちゃって。下手くそでごめんね?」

「ありがとう。まあ、ぱっと見で手作りだなとはわかったけど、別に使えれば問題なくないか?」

 俺はそう言いながらマフラーを首に巻く。

 うん。あったかくていいな。冬の散歩の時などにでも使わせてもらおう。

 まあそれは置いておいて。

 クリスマスプレゼントもらっちゃったからお返ししないとだな。

「明日暇か?」

「!うん!」

「じゃあ明日午後3時に学校の正門に来てくれ」

「おっけー!」

 黒宮は鼻歌を歌いながらスマホに何かを打ち込む。

 多分『陰キャにクリスマスに呼び出された』とか書き込んでるんだろうな。知らんけど。

 その後俺は黒宮と別れ、俺は駅前に新しくできたデパートに向かう。

 ギャルが欲しいものってなんだろう。

 そんなことを1人考えながら歩いていると。

『ねえねえ、このネックレス欲しい!』

『高いな。却下』

『えー!ケチ!』

 展示品を見ている2人のカップルの会話を聞いてひらめいた。

 もうネックレスとかそういう類のもの送ればいいんじゃね?と。

 どうせ嫌われても別に問題ないしな。

 とゆうわけで俺は店に入り店員さんと相談してネックレスを買うことに。もちろん別途料金を払って包装してもらった。

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