第30話

 労働局のサービスを利用するには、まず病院へ行ったり、市役所で手続きをする必要もあった。長く働き続けるための職業費だから、ある程度お金がかかるのは仕方ない…と思った。障害者になることへのためらいはなかった。働いていれば職場でそういう人を見かけることもあるし、中には何の障害があるのかよく分からない人も多かった。配慮があれば定年まで働けるのなら、そっちのほうがよかった。


 インコの点点は、体調を崩してそのまま落鳥してしまった。春先はやはり危険な季節だ。点点の若だった頃を思い出して、私は泣いた。頭のよい愛くるしい可愛いインコだった。無理にダイエットさせて無精卵を産ませないようにしようとしたので、体力が落ちたのだろうか。ダイエットさせなければ、際限なく食べ続け、肥え続け、1日おきに無精卵を産み、その無精卵を割って吸って食べ、それを栄養にしてまた無精卵を産み…の繰り返しだった。点点もガサオも、長野にあるペットショップで通販で買った鳥だった。今は生体販売はできなくなってしまったが、十年以上前は通販で生体を買うことができた。その移動の際、小さな段ボールに入れられて、十時間以上、トラックで他の荷物とともに運搬された。



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