　セキセイインコの点点は、一日おきに無精卵を産んだ。点点はもしかしたら雄のインコを見たことが無いはずだが、何を見ても点点は発情して卵を産んだ。点点は太りすぎだった。雌のセキセイは四十グラムを超えると危険ゾーンだ。雄がケージにいなくても、飼い主を見ても発情するし、おもちゃのミラーに写った自分の姿を見ても発情した。セキセイはミラーが大好きなので取り外すのはかわいそうだったが、無精卵を産ませないためには仕方なかった。鳥類は人間のペットには向いていない。何を見ても発情するから。

　点点が産んだ無精卵は偽卵に置き換えた。偽卵は、ペットショップで販売している、プラスティックでできた本物そっくりの卵だ。無精卵を産ませたくない場合、本物と取り換えて、インコにすでにたくさんの卵を産んだと勘違いさせて、産卵をストップするためのものである。それでも点点は不定期に無精卵を産んだ。産んだ卵はすぐに取り出した。バタバタと暴れる点点を苦労して捕まえて、体重を測ると40ｇを超えていた。太ると無精卵を産む。体内に余剰なエネルギーを蓄えている状態だから、産卵にエネルギーを回してしまう。いちかばちか、減量をさせることにした。